今回のテーマは介護費用についてです。

老後に必要となる大きな費用である介護費用には、概ねどれくらいの費用がかかり、どのように準備・捻出するかの参考になれば幸いです。

それでは早速見ていきましょう。

【費用はいくらかかる?】在宅介護と有料介護老人ホーム

認知症や寝たきり状態など、高齢となった親の介護で重くのしかかるのが、日々かかる費用の問題でしょう。

在宅介護の場合でも、介護施設の利用でも、まとまった金額が必要となるケースが少なくありません。

年金支給額や貯金残高に余裕がない場合は、代わりに誰がどのように捻出していくのか予め考えておく必要があります。

介護施設に入居するためのまとまった金額を用意するために、場合によっては自宅の売却やリバースモーゲージ等の活用を検討することもあります。

以下、自宅で介護サービスを受けるケースと、有料介護老人ホームを利用するケースの2つの場合に分けて見ていきましょう。

[1]在宅介護の場合の費用

在宅介護にかかる費用は、大きく2種類に分けられます。

  • 「介護サービス利用料」…デイケア・デイサービスやホームヘルパーの利用費用
  • 「介護サービス以外の費用」…おむつ代等の雑費や自宅をバリアフリーに改築する介護リフォームなどの費用

【介護サービス区分】

介護サービスは介護認定を受けて利用するもので、介護認定にはサービス区分があります。

サービス区分は全部で7区分あり、数字が大きくなるほど介護の必要性が高いと判断されます。

  • 要支援1・2
  • 要介護1・2・3・4・5

要支援は、生活機能は低下しているものの改善の可能性が高いと見込まれる状態です。

要介護は、なんらかの介護サービスが必要な状態で、使えるサービスの限度額も増えていきます。

【在宅介護にかかる費用】

家計経済研究所が2017年6月に発表した「在宅介護のお金と負担」によると、月々に在宅介護にかかる費用は平均5万円。

うち、「介護サービス利用料」は1万6千円、「介護サービス以外の費用」は3万4千円といったデータがあります。

[2]有料介護老人ホームを利用する場合の費用

有料介護老人ホームには大きく分けて「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。

入居一時金は、有料老人ホームの設備によって数十万円から数百万円かかる場合が多く、高級有料老人ホームともなると数千万円〜数億円かかることもあります。

最近は入居一時金0円で入居出来る施設も増えてきていますが、入居一時金が月額利用料に上乗せされているケースや、人気のため待機期間が長くなるなど、希望通りに利用できるとは限りません。

要介護度の区分が入居要件に入っていることもありますが、要介護度が高くなればその分費用も高くなります。

月額料金は家賃や食費を含めると、平均して20〜25万円ほどですが、認定内容が重くなる負担増についても考えなくてはならないでしょう。

資金の面を考えるうえでネックとなるのが金融機関での利用停止等の取扱いです。口座名義人の意思能力が低下したと判断すると、金融機関では口座凍結等の処理を行います。

なかには認知症に備えて、引き出し用に「家族カード」制度のある金融機関もありますが、この銀行の代理人カード(家族カード)は万能ではありません。

判断能力の低下に備えて家族信託の利用を早めに検討してみてはいかがでしょうか。

また、すでに認知症が進行してしまった場合に家族が認知症患者の預金を引き出す方法について、こちらの記事で解説していますので参考にしてみてください。

介護の期間

介護を支える家族にとっては負担の大きい介護期間ですが、平均的にはどのくらいの期間続くものなのでしょうか。

過去3年間に介護経験がある人に行った調査(「生命保険文化センター」による)では、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均54.5ヶ月(4年7ヶ月)になっています。

仮に毎月5万円ほどの出費だったとしても、介護期間中に約300万円かかる計算になります。

つまり、介護については、在宅で介護を支えたとしても一定の費用が掛かり、運よく専用施設に入所できたとしても費用負担が重くのしかかることを想定しておかなくてはなりません。

高齢になるほど、介護にまつわる大きな負担について、早めに備えていくことが重要だといえるでしょう。

まとめ

家族が高齢となったとき、生活状況を鑑みて在宅で介護が受けられるのか有料介護老人ホームの利用を検討しなければならないのか、資金準備を含めて予め考えておく必要があります。

自宅で介護をする場合は人手が必須ですし、毎月必要となる資金は年金や預金で賄えそうでしょうか。

家族全体に大きな影響が出てくることであり、高齢になると必要に迫られる事実です。

親が乗り気でない場合にどう話を切り出すか』などの記事を参考の上、早めに話合いや対策を講じておくことが重要だといえるでしょう。