家族信託の費用の総額は?シミュレーションや節約のポイントも紹介!

家族信託の費用の総額は?シミュレーションや節約のポイントも紹介!

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家族信託の活用について検討するときに、費用のことが気になるのではないでしょうか?

家族信託には、専門家に依頼する場合の費用や手続きの実費など事案に応じて相応の費用が発生します。

この記事では、家族信託にはどのような費用がかかるのか、節約する方法はあるかなどについてご紹介します。

家族信託にかかる費用とは

家族信託は、利用する人の希望や事情に応じて、柔軟な財産管理や財産の承継をすることができるため、年々利用者が増加しています。

家族信託は、基本的には専門家でなく家族に財産の管理を託すものなので、通常はランニングコストが高額になるわけではありません。

ただし、家族信託を開始するときには、相応の費用がかかります。

具体的には、

①家族信託の内容を決定するためのコンサルティング費用

②家族信託契約書の公正証書作成費用

③不動産がある場合の登記関係費用

が通常発生する費用です。

信託財産の内容や依頼する専門家などによって費用の総額は異なりますが、少なくとも50~100万円程度はかかると認識しておいたほうがよいでしょう。

この費用について、一見高額に感じるかもしれませんが、家族信託では、初期費用でまとまった金額がかかるものの、実際に家族信託を開始したあとは、基本的に大きな費用が発生することはありません。

家族信託制度と比較されるものとして、成年後見制度がありますが、成年後見制度で後見人として弁護士や司法書士などの専門家が選任された場合、毎月2~6万円程度の報酬が発生します。

成年後見人は裁判所が選ぶため、家族が後見人になることを望んでも、裁判所の判断で弁護士や司法書士が選ばれるケースも多く、そうなると毎月のランニングコストがかなり高額になり、後見制度の利用に係った総額は数百万に上るケースもあります。

後見制度は、一度始まってしまうと、被後見人が亡くなるまでやめることができませんが、その間後見人報酬が発生し続けるため、トータルで見ると高額になるのです。
(仮に年間48万円(月4万円)の後見人報酬が発生したとして、それが5年続いたとしたら、トータルのコストは240万円になります。)

そのように考えると、家族信託の費用はそれほど高額ではないといえるのではないでしょうか。

コンサルティング費用について

まず初めにかかる費用として、コンサルティング費用があります。

コンサルティング費用がいくらかかるかは専門家によってまちまちですが、一つの目安として、信託財産の1%程度を想定しておきましょう。

信託財産が5,000万円であれば、50万円程度はかかると考えておきましょう。

家族信託は、必ず専門家に相談しなければならないわけではありませんが、専門家に相談なく、自分の希望に沿い且つ法的に有効な信託契約をすることはとても難易度が高いのが実情です。

インターネット上などで家族信託契約書の見本なども紹介されていますが、家族信託契約の魅力は、その人の要望に合わせた柔軟な契約内容を実現させることであり、見本通りの家族信託契約書を作成しても、あまり意味がありません。

さらに、そもそも本当に自分にとって家族信託契約がベストな選択肢であるのかについても、個別の事情を話したうえで専門家に相談したほうがよいでしょう。

場合によっては、遺言書の作成や任意後見制度を使った方が効果的だということもありえます。

また、金融機関で信託口座を開設する場合も、一定の要件を満たした信託契約書の提示を求められることがありますので、基本的には金融機関への対応なども見据えて契約書の作成ができる専門家に依頼することをおすすめします。

家族信託は比較的新しい制度で、弁護士や司法書士、税理士といった専門家であっても誰もが精通しているわけではありません。

費用や立地などだけで選ぶことは避け、家族信託や相続の分野に力を入れており、信頼できる専門家に依頼することが大切です。

依頼する前に、まずは相談をしてみて、家族信託や相続、税務の知識や実績があるのか、信頼できる対応をしてくれるかなどを見極めることをおすすめします。

公正証書作成費用について

家族信託契約書は必ずしも公正証書で作成しなければならないものではありませんが、実際にはほとんどの場合公正証書で作成します。

公正証書にすることで、法的に有効な契約であることを担保することができます。

また、信託口座を開設する金融機関でも公正証書の契約書の提出を求められるため、必ず公正証書で作成することをおすすめします。

公正証書を作成するには費用がかかります。

公正証書の作成に関する費用は、①専門家に公正証書の原稿となる家族信託契約書の作成や公証役場との打ち合わせの代理を依頼する費用、②公証役場に支払う手数料の2種類があります。

①については、コンサルティング費用に含まれている場合もあれば、別途かかる場合もあります。

公証役場との打ち合わせや、契約書の原稿の作成を自力で行うことは難しいため、専門家に依頼するのが一般的です。

相場としては、10~15万円程度を想定しておけばよいでしょう。

②の公証役場に支払う実費については、信託財産の総額や契約の内容によって異なりますが、3~10万円程度と考えておきましょう。財産が多くなるほど高額となります。

登記関係費用について

信託財産に不動産がある場合には、不動産登記の手続きが必要となります。

その不動産が信託財産であること及び不動産を受託者名義に変更する内容の登記をしなければなりません。

この登記に関する費用は、①司法書士に登記申請の手続きを依頼する費用、②国に納める登録免許税の2種類があります。

①については、司法書士にコンサルティングを依頼した場合、コンサルティング費用に含まれている場合もありますが、通常は別途かかります。

費用の相場としては、不動産の数によっても異なりますが、10~30万円前後を想定しておくとよいでしょう。

②は、登記をする際に発生する税金です。信託の登記にかかる登録免許税は、信託財産となる不動産の固定資産税評価額を使って計算します。

土地は固定資産税評価額の0.3%、建物は固定資産税評価額の0.4%が登録免許税額となります。

たとえば、土地の固定資産税評価額が2,000万円の場合、登録免許税は6万円です。

信託開始後の費用について

家族信託開始後にも費用は掛かるでしょうか。

家族信託は、財産を信頼できる家族に託す制度なので、専門家に財産を託す場合と異なり、基本的に毎月費用がかかるようなことはありません。

ただし、受託者を監督する立場の「信託監督人」を選任する場合には、この信託監督人に支払う報酬が発生する場合があります。

信託監督人は、受益者が高齢により判断能力がなくなった場合など、受益者が受託者を監督できない場合に、信託事務が適切に行われているかどうかを監督します。

この信託監督人について、司法書士などの専門家に依頼する場合には、毎月数万円の費用が発生します。

また、たとえば信託財産で不動産を購入したり売却したりする場合、不動産仲介業者への仲介手数料が発生したり、司法書士への登記の手続き費用が発生するということはあり得ます。

これは、信託契約にまつわる費用ではなく、信託財産であるか否かにかかわらず不動産売買に関して発生する費用ですが、信託していてもそれらの費用は通常通り発生するということを忘れないようにしておきましょう。

加えて、信託財産に不動産がある場合、毎年固定資産税がかかりますが、これも家族信託だからかかる費用というわけではありませんね。

受託者が固定資産税を納税していくこととなりますので、この点も漏れないように要注意です。

そのほか、信託開始後に、疑問点などが出てきて専門家に相談する場合には、相談料等が発生する場合があります。

相談料は、弁護士であれば1時間10,000円程度、司法書士や税理士であれば1時間5,000円程度を目安に考えておきましょう。

相談だけにとどまらず、たとえば信託契約書の内容を変更するなどという場合には、10万円程度の費用が追加でかかることが想定されます。

費用のシミュレーション

家族信託の費用について、実際にシミュレーションしてみましょう。

信託財産は、預貯金3,000万円、不動産土地1筆(固定資産税評価額3,000万円)建物1棟(固定資産税評価額1,000万円)であるとします。

①コンサルティング費用

(3,000万円+3,000万円+1,000万円)×1%(報酬利率)=70万円

②公正証書作成費用

作成手続き代理費用・・・コンサルティング費用に含む
公証役場の手数料・・・約5円

③登記費用

登録免許税
土地 3,000万円×0.3%=9万円
建物 1,000万円×0.4%=4万円
計 13万円

司法書士手数料・・・20万円

④総額

この事例の場合の費用総額の概算は、70万円+5万円+13万円+20万円で108万円となります。

節約する方法はあるか?

家族信託の導入を考えたとき、できるだけコストをかけずに済ませたいと考えるのではないでしょうか。

初期費用を抑える方法について紹介します。

(1)コンサルティング費用について

家族信託の内容などについて専門家に相談して設計してもらうためのコンサルティング費用を節約することはできるでしょうか。

一番コストがかからないのは、そもそも専門家に依頼をせずに自分で信託契約の内容を決めることです。

ただし、基本的に自分だけで信託契約の内容を決めることはおすすめできません。

信託契約は複雑で、経験のない人が法的に有効で、過不足のない内容を取り決めるのはとても困難です。

あやふやな知識のまま自分で信託契約の手続きを進めてしまい、後からトラブルに発展してしまう可能性もあります。

法律や税務については専門家に相談しておくことが大切です。

専門家に依頼する場合、弁護士、司法書士、税理士、行政書士などが選択肢として存在します。

事務所によって費用体形は異なりますが、基本的には弁護士への依頼が一番高額となる傾向にあります。

費用面で考えると、弁護士以外の専門家に依頼する方が料金を抑えられる可能性はあります。

相談料を例に考えても、弁護士事務所の相談料は1時間1万円程度が相場ですが、司法書士等は1時間5千円程度が相場となります。

ただし、これは事務所の料金体系により異なりますので、必ずしも弁護士だから高額になるというわけではなく、初回の相談料を無料としている弁護士事務所等もあります。

また、まずは自治体などで主催する無料もしくは低料金の法律相談会で話を聞いてみるという方法もあります。

ただ、このような無料相談会の場合、必ずしも家族信託に詳しい専門家が対応してくれるとは限らないため注意が必要です。

事務所によってはホームページなどで料金表を掲載しています。それを参照したうえで、事前に料金の目安を知っておくのもよいでしょう。

ただし、料金だけで専門家を選ぶことは望ましくありません。

専門家の能力は個人差が非常に大きく、特にまだ比較的新しい制度である家族信託に関しては、専門家の力量に大きな差があると考えられます。

家族信託や相続についての実績や知識があり、親身に相談に乗ってくれる専門家を選ぶことをおすすめします。

そのうえで、正式に依頼する前に見積りをしてもらい、費用に納得したうえで依頼するとよいでしょう。

(2)公正証書の作成費用について

公正証書の作成について、一番節約できるのはそもそも公正証書を作成せずに私文書で信託契約書を作成することです。

ただし、基本的に信託契約書は公正証書で作成した方がよいでしょう。

公正証書は、公証役場で本人確認を行ったうえで作成されるもので、公文書としての強い証拠能力を持ち、法的な効力や本人の意思確認を担保してくれます。

私文書での契約書では、不備があったり法的に問題のある内容が含まれている可能性があり、後からトラブルになる原因となりえます。

公正証書の作成を専門家に依頼する場合、事前にその費用がコンサルティング費用に含まれているかどうかを確認しておくとよいでしょう。

一見コンサルティング費用が低額な事務所であっても、公正証書の作成費用が別途かかると、思いのほか高額になるという可能性もあります。

(3)登記関係費用について

登記関係費用は、税金である登録免許税については節約しようがありません。

登記申請は、自分ですることが不可能というわけではありませんが、通常の相続や売買の登記以上に複雑で難易度が高く、経験のない人が自分ですることは現実的ではありません。

信託目録の作成も必要ですが、これは未経験者が作成するのは極めて困難です。

結論として、登記は最初から司法書士に依頼するのが賢明です。

登記申請を司法書士に依頼する費用については、コンサルティングを司法書士に依頼する場合にはコンサルティング費用に含まれている場合もありますが、基本的には別途かかります。

相談の際に、確認しておくとよいでしょう。

登記費用の総額がいくらかかるかは、信託財産とする不動産の「固定資産税評価証明書」などの評価額がわかる書類を持参の上、見積りを計算してもらいましょう。

不動産の数が多かったり、不動産所在地の地域がバラバラだったりすると、思わず高額となるケースもあります。

見積りを確認したうえで、納得できる費用であれば依頼しましょう。

まとめ

家族信託を始めるには、必ず相応の初期費用が発生します。

この費用を節約したいと思う気持ちはあると思いますが、費用を節約することを優先するあまり、自分の思いを叶えることができないのでは本末転倒となってしまいます。

納得のできる料金体系であることをしっかりと確認したうえで、信頼のおける専門家に依頼することをおすすめします。

カテゴリー:家族信託

タグ:費用

この記事の監修者
梶原 隆央(かじわら たかひさ)

司法書士
梶原 隆央(かじわら たかひさ)

神奈川県出身/平成21年司法書士資格取得 トリニティグループの信託部門にて、実家信託から信託財産数億円に及ぶ信託、自社株式の信託等、幅広く信託案件に対応。

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