家族信託とは 「認知症による資産凍結」を防ぐ法的制度 です。
家族信託は、2016年頃から注目を集め始め、年々その利用者が増加しています。
多くの方に知られるようになってきた家族信託ですが、やはり家族信託を検討するときに気になることと言えば、 どれくらい費用がかかるか・どうしたら費用を安く抑えられるか についてではないでしょうか。
家族信託では手続き上の実費や登記関連の費用のほか、専門家へのコンサルティング報酬など、一定の費用が発生します。
この記事では、家族信託をする上で必要になる費用について、詳しくご紹介していきます。
要約
- 専門家のコンサルティング報酬は信託財産の1%程度が目安
- 登記費用や公証役場の費用など、契約内容に応じて別途費用が発生
- 自分で家族信託をすることで費用を抑えることができる
- ただし専門知識なしに契約書の雛形をそのまま使うと、誤った家族信託を組成し、法律や税務面で取り返しのつかないことに
- 家族信託とは単なる契約書の作成行為に留まらないことに注意
- 正しい家族信託をするために信頼できる専門家へのご相談がおすすめ
家族信託の費用を
安く抑えたい方へ

目次
家族信託にかかる費用の内訳
家族信託にかかる費用の内訳としては、大きく次の3つが挙げられます。
-
家族信託の相談、設計、締結を専門家と行うためのコンサルティング費用
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家族信託契約書の公正証書作成費用
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不動産がある場合の登記関係費用
中でも、 1.の専門家へのコンサルティング費用が最も高額 になります。
詳しくは後述しますが、家族信託はテンプレートの契約書にサインをすれば終わり、というものではありません。
原則としてご家族ごとに財産の棚卸しを行い、財産額・財産の種類・相続税・相続の意向・ご家族の関係性などを総合的に勘案し、対象のご家族が財産管理・承継を最適かつ円満に行えるよう、司法書士や家族信託の専門家などが多大な実務を行うため、専門家への報酬が必要となっています。
家族信託にかかる費用の総額
家族信託をするにあたって必要な費用は、信託する財産の種類や財産総額により異なるため、一概にいくらとは言えません。
しかし、おおよそ家族信託にかかる費用は、 一般的には30〜70万円程度 だと言えるでしょう。
この費用について一見高額に感じるかもしれませんが、家族信託でまとまった金額が必要になるのは初期費用のみです。
成年後見制度などと異なり、実際に家族信託がスタートしたあとは、基本的に大きな費用が発生することはありません。
ここからは、家族信託の初期費用の内訳や、費用の根拠を見ていきましょう。
専門家へのコンサルティング費用
家族信託は当事者間(親子など)における契約行為のため、必ず専門家に相談しなければならないわけではありません。
しかし、専門家が関与することなく、
- 家族全員の希望に沿った内容で(将来的なご家族の争いを法的に回避)
- 且つ法的に有効な信託契約を作成し(後から契約を無効と判断されるリスクの回避)
- 税務面でも不利でないものとする(本来支払う必要がない税金がかかるリスクの回避)
以上を 専門家なしで自分で行うことは、非常に難しい と言えるでしょう。
コンサルティング費用がいくらかかるかは専門家によってまちまちですが、一般的には信託財産の1%程度というのが目安です。
たとえば信託する財産を3,000万円とすると、コンサルティング費用として30万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
ただし、お持ちの全財産を家族信託する必要はありません。
資産凍結を防ぐための分だけ、あるいは今後動かす必要のある財産だけ信託することで、コンサルティング費用を抑えることができます。
家族信託契約書の公正証書作成費用
家族信託契約書は、必ずしも公正証書で作成しなければならないものではありません。
しかし、実際にはほとんどの場合において公正証書で作成しています。
家族信託の契約書を公正証書にすることで、法的に有効な契約であることを担保することができます。
また、家族信託した財産を預ける「信託口口座」を開設する金融機関においても、 公正証書で作られた契約書の提出を求められる ことがほとんどです。
そのため、一般的には家族信託を行う際には、契約書を公正証書化しています。
公証役場で公正証書を作成するには、以下の2種類の費用が必要になります。
公正証書作成にかかる費用
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専門家への費用:公証役場との具体的な手続きを依頼する費用など
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公証役場に支払う手数料(実費)
1.の専門家への費用は、家族信託の専門家に公証役場(公証人)との打ち合わせ等を依頼するための費用です。
公正証書を作成する際には、公証役場のアポイント調整、打ち合わせ、契約書内容の擦り合わせ等が必要になります。
これらの公証役場とのやりとりを全て自分で行うことは難しいため、専門家に依頼するのが一般的で、相場としては数万円ほどとなります。
2.の公証役場に支払う実費については、信託財産の総額や契約の内容によって異なりますが、約3〜10万円です。実費部分は信託財産が多くなるほど高額となります。
家族信託に公正証書が必要?私文書では危険?メリット・デメリット、必要書類や手続きの流れ、費用を解説
家族信託も信託契約になりますので信託法のルールに沿って作成することになるのですが、法的には公正証書で作成しなくても問題はない、という解釈になります。今回は「公正証書化」が必要なケースについてご紹介します。信託契約書を公正証書で作成した方が良いケース、公正証書での作成にすべきケースについても説明していきます。
不動産の登記関係費用
家族信託する財産に不動産が含まれる場合には、不動産登記の手続きが必要となります。
不動産の名義を委託者(親)から受託者(子)に書き換えることで、 その不動産が信託された財産であることを明示(登記) しなければなりません。
この登記をするためには、以下の2種類の費用が必要になります。
不動産登記にかかる費用
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司法書士に登記申請の手続きを依頼する費用
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国に納める登録免許税
1.の専門家への費用については、司法書士にコンサルティングを依頼した場合、コンサルティング費用に含まれている場合もありますが、通常は別途かかります。
費用の相場は不動産の数などによって大きく異なりますが、5万円〜などを想定しておくとよいでしょう。
2.は、登記をする際に発生する税金です。
信託の登記にかかる登録免許税は、信託財産となる不動産の固定資産税評価額を使って計算します。
土地は固定資産税評価額の0.3%、建物は固定資産税評価額の0.4%が登録免許税額となります(土地の登録免許税については令和5年3月31日までの減税措置)。
たとえば、土地の固定資産税評価額が2,000万円の場合、登録免許税は6万円となります。
以上が、家族信託の初期費用の内訳と、その費用の根拠になります。
家族信託の契約締結後にかかる費用
家族信託にかかる費用は、初期費用以外にはあるのでしょうか?
家族信託は、財産を信頼できる家族に託す制度なので、成年後見制度や銀行の信託(商事信託)などと異なり、基本的に毎月報酬などの費用がかかるようなことはありません。
ただし、受託者(子)を監督する立場の「信託監督人」を設置して、その監督人を専門家に依頼する場合には、この信託監督人に支払う報酬が発生する場合があります。
信託監督人に支払う費用
信託監督人は、受益者(親)が高齢により判断能力がなくなった後など、受益者が受託者(子)を監督できない場合に、信託事務が適切に行われているかどうかを監督します。
信託監督人は司法書士などの専門家の場合、毎月数万円の報酬を見込みます。
家族信託を扱う司法書士の先生によっては、受託者による不正防止などのため、この信託監督人への就任を必須事項としている場合もあります。
初期相談の際に、必ず信託監督人への就任について聞くようにしましょう。
不動産関連の費用
そのほか、たとえば信託財産で不動産を購入したり売却したりする場合、不動産仲介業者への仲介手数料が発生したり、司法書士への登記の手続き費用が発生するという新たな支出もあり得ます。
これは信託契約にまつわる費用ではなく、不動産売買そのものに関して発生する費用で、信託してもしなくても通常通り発生する費用です。
また、通常、不動産にかかる固定資産税と同じように、信託財産に不動産がある場合は毎年、固定資産税がかかります。
一般的に信託財産の預貯金から支出しますが、受託者は受託者の立場として、固定資産税を納税していくこととなります。
専門家に相談したい場合の相談料
信託開始後、不動産所得や事業所得があると、疑問点などが出てきて専門家に相談したいケースもあるでしょう。
そのような場合には相談料等が発生する場合があり、弁護士であれば1時間10,000円程度、司法書士や税理士であれば1時間5,000円程度が目安となります。
相談だけにとどまらず、たとえば信託契約書の内容を変更するなどという場合には、10万円程度の費用が追加でかかることが想定されます。
大手の事務所であれば、家族信託の契約完了後も無料で相談に乗ってくれることもあります。
家族信託においては、信託財産の取り扱いや税金面などにおいて、契約締結後にたくさんの疑問点・不明点が噴出することが一般的です。
アフターフォローがしっかりあるかどうかについても、初期相談の際に確認するようにしましょう。
家族信託にかかる費用のシミュレーション
家族信託の費用について、財産の金額や種類などいくつかのパターンで、実際にシミュレーションしてみましょう。
家族信託の手続きにかかる実際の費用は、あくまで依頼する専門家や信託財産の種類、金額によって大きく変動します。
ここでの費用シミュレーションは、おおよその費用を知るための概算です。
また、専門家へ依頼せずに家族信託を行うことは現実的に難しいため、本記事では専門家へ依頼することを前提にシミュレーションしていきます。
事例① 【信託財産:現金3,000万円】
信託財産は、現金(預貯金など合わせて)3,000万円であると仮定します。
1. コンサルティング費用
3,000万円×1%(報酬利率)=30万円
2. 公正証書作成費用
作成手続き代理費用・・・コンサルティング費用に含む
公証役場の手数料・・・約5万円
必要な費用:30万円+5万円=35万円
事例② 【信託財産:土地2,000万円、建物1,000万円】
信託財産は、不動産土地1筆(固定資産税評価額2,000万円)、建物1棟(固定資産税評価額1,000万円)であると仮定します。
1. コンサルティング費用
(2,000万円+1,000万円)×1%=30万円
2. 公正証書作成費用
作成手続き代理費用・・・コンサルティング費用に含む
公証役場の手数料・・・約5万円
3. 登記費用
登録免許税
土地 2,000万円×0.3%=6万円
建物 1,000万円×0.4%=4万円
登録免許税合計・・・10万円
司法書士手数料・・・20万円
必要な費用:30万円+5万円+10万円+20万円=65万円
事例③ 【信託財産:現金1,000万円、土地1,000万円、建物1,000万円】
信託財産は、現金1,000万円、不動産土地1筆(固定資産税評価額1,000万円)建物1棟(固定資産税評価額1,000万円)であると仮定します。
1.コンサルティング費用
(1,000万円+1,000万円+1,000万円)×1%=30万円
2.公正証書作成費用
作成手続き代理費用・・・コンサルティング費用に含む
公証役場の手数料・・・約5万円
3.登記費用
登録免許税
土地 1,000万円×0.3%=3万円
建物 1,000万円×0.4%=4万円
登録免許税合計・・・7万円
司法書士手数料・・・20万円
必要な費用:30万円+5万円+7万円+20万円=62万円
以上、家族信託にかかる費用の概算を行いました。
家族信託にかかる費用の一例として、参考にしてください。
家族信託の費用を
安く抑えたい方へ

家族信託の費用を安くする4つの方法
このように、家族信託を行うには最低でも数十万円の費用がかかります。
そのため、ご相談者様から「家族信託の費用を安くしたい」とご相談をいただくことも多々あります。
家族信託にかかる費用をできる限り安く抑えるには、以下4つの方法があります。
家族信託を安くするための方法
- 家族信託を自分でする
- 家族信託の契約書を私文書で作成する
- 信託財産を必要最低限にする
- 登記関係費用の節約
この中で実際におすすめできるのは、3.の「信託財産を必要最低限にする」でしょう。
家族信託の費用を安くするためには家族信託を熟知(家族信託を数百件以上実際に契約締結してきた専門家)している専門家に依頼して、家族信託を正しく設計しつつ、かつ信託する財産を慎重に選ぶことで費用を抑える方法が一番良いと考えられます。
家族信託を自分でする
専門家なしで、家族信託を自分ですることは可能です。
専門家へのコンサルティング報酬を0円にすることで、最も費用を節約することができます。
この場合、信託契約の設計・契約書の作成・登記・銀行での信託口口座の作成まで全てご自身で行うことになります。
この場合、専門家に依頼しないことによって、どういったリスクがあるでしょうか?
信託契約書はインターネット上にテンプレートなども公開されていますが、扱うには専門的な法律の知識が必要で、通常は司法書士などの専門家に委託します。
万が一契約書に不備や無理があると、 家族信託契約自体を無効とみなされ 、取り返しのつかない事態に陥る可能性もあります。
また、契約書を作成した時点では有効な契約書でも、今後の判例次第ではどうなるかはわからないため、それを踏まえたものを作る必要があります。
知識が不十分のままに自分で家族信託を設計すると、余計な税金がかかることになってしまったり、不動産の売却ができなかったりと、何のために家族信託を行ったのかわからなくなるほど取り返しのつかない事態に陥る恐れがあります。
以上を踏まえて、専門家に依頼するかどうか検討をしておいたほうがいいでしょう。
家族信託を自分でやる?必要な手続き・やり方・注意点を解説
この記事では、家族信託を自分でやる際のポイントをまとめています。特に家族信託を自分でやる場合の注意点について解説します。
家族信託の契約書を私文書で作成する
家族信託の契約書は、公正証書にしなくても有効です。
そのため、信託契約書を公正証書にせず、私文書のままにしておけば公正証書の作成費用は抑えられます。
デメリットとしては、私文書は公正証書に比べて、後日の証拠力として弱い、また契約書を紛失すると取り返しがつかない点などがあげられます。
公正証書は、公証役場で本人確認を行ったうえで作成されるもので、公文書としての強い証拠能力を持ちます。
所定の手続きのもと作成され、公証人の面前で読み上げられ、申請者の意思確認も行われるため、法的な効力や意思確認済であることを担保してくれる文書になるのです。
私文書としての契約書のままでは、極端な話、契約そのものを否定される可能性もあるのです。後々のトラブルの原因になる可能性もあります。
また、信託財産に不動産が含まれる場合や、銀行に信託した現金を預ける場合には、公正証書を作成しないという方法はおすすめできません。
公正証書を作成していないと、登記手続きや信託口口座の開設ができなくなる 可能性が大いにあるためです。
信託財産を必要最低限にする
家族信託にかかる費用は信託財産の金額に応じて変わってきます。
専門家のコンサルティング費用や、公正証書の作成手数料、登記における登録免許税などが、信託財産の額によって変動するためです。
そのため、信託する財産を最小限にして、信託する財産のトータルの金額を抑えれば、その分だけ家族信託の手続きにかかる費用も抑えられます。
例えば、預金を全て信託財産に含めるのではなく一部だけにする、将来的に売却を検討している不動産のみを信託財産に含めるなども選択肢のひとつです。
「資産凍結されては困る」財産のみ信託をしておく と良いでしょう。
家族信託に精通した専門家と相談の上、どの財産を信託するべきなのか考えていきましょう。
登記関係費用の節約
登記関係費用については税金(登録免許税など)の部分については仕方がありませんが、そのほか登記申請についての司法書士への依頼費用について考えてみましょう。
信託登記をする場合、信託目録の作成も必要となるため一般的に司法書士へ依頼をします。
自分で登記申請することも不可能ではありません。
しかし、通常の相続や売買の登記以上に、信託登記は複雑で難易度が高い作業です。
登記については最初から司法書士に依頼するのが間違いもなく安心だといえます。
全体のコンサルティングを司法書士に依頼する場合にはコンサルティング費用に含まれている場合もあり、別途費用がかかる場合もあります。
登記費用の総額がいくらかかるかは、信託財産とする不動産の「固定資産税評価証明書」などの評価額により異なります。書類を持参の上、専門家に見積りを計算してもらいましょう。
不動産の件数や、不動産所在地の地域がバラバラだったりすると、想像よりも高額となるケースもあります。
このように、相談や見積りの段階で、費用面については充分な確認が必要です。また、費用面をしっかり明確にしている専門家であれば家族信託について熟知している人物だといえます。
家族信託と成年後見制度はどちらが安い?
家族信託制度とよく比較されるものとして、成年後見制度があります。
初期費用は、家族信託よりも成年後見制度の利用の方が低くなります。
しかし成年後見制度には継続的な費用が発生するため、 トータルで支払う費用を比較すると、家族信託の方が費用が押さえられる結果となる ことが多いと言えるでしょう。
成年後見人は裁判所が選定し、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれるケースが8割に上ります。
そうなると専門家後見人への報酬が必要となるため、報酬額も高額になる傾向にあります。
弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選任された場合の報酬は毎月2〜6万円程度です。
また、後見制度はひとたび利用を始めると、原則途中で止めることができません。
認知症等の判断能力を起因とする後見制度がスタートすると、判断能力の回復時点まで後見制度は続くため、 実質的に本人死亡まで後見制度の利用と専門家報酬の支払いが続く ことになるのです。
例えば月額3万円の報酬を5年間支払い続けると、180万円もの費用が発生します。
家族信託と成年後見の違いは?どちらを使うべき?
高齢者の財産を本人以外が管理するには、家族信託と成年後見制度があります。家族信託と成年後見制度は特徴が異なるため違いについてしっかり理解することが重要です。家族信託と成年後見制度の違いや、どちらを使うべきか?について解説します。
身内が後見人に就いたら、後見制度は安くなる?
よくあるご質問として、成年後見制度であっても、身内が後見人になれば費用も掛からないのでは?というものがあります。
しかし統計を見てみると、専門家の後見人の就任割合が全体の約8割を占めています。
判断能力がしっかりしている状態の方が、将来判断能力を失ってしまったときに備えて、あらかじめ後見人になってもらう人を選んでおく 「任意後見」 であれば、家族が後見人になれる可能性は比較的高くなります。
しかし、既に認知症を発症してしまった方に後見人を付けるための「法定後見」なら、家族が後見人に就任することは難しい、と言えるでしょう。
また、仮にご家族が後見人に就任できたとしても、ご家族の負担は決して軽くはありません。
成年後見制度を含めて、家族信託と比較する際には、制度の目的の違いや、成年後見制度のデメリットなど、違いについて詳しく理解しましょう。
非常に難しい内容ですので、専門家への無料相談の活用もおすすめします。
成年後見人になれる人とは?家族・親族は後見人になれる?
この記事では、家族であれば後見人になれるのかどうか、そもそも後見人になるためにはどのような資質や資格が必要なのか、そして、後見人になることができる法律上の要件としてどうのような制約があるのかについて解説します。後見制度の利用を検討している方や、後見制度の仕組みをしっかりと理解したい方は、ぜひ最後まで読んでください。
家族信託は重要な契約だからこそ専門家選びが重要に
家族信託を始めるには必ず相応の初期費用が発生するため、費用で節約できる部分と、信託内容の設計の完成度とのバランスが、やはり重要です。
また、家族信託は比較的新しい制度で、弁護士や司法書士、税理士といった専門家であっても誰もが精通しているわけではありません。
そのため低コストなどの目の前の利点よりも、家族信託や相続の分野に力を入れており、信託がスタートした後も頼れるような信頼できる専門家に依頼することが大切です。
作成する書類についても、金融機関で信託口座を開設する場合に一定の要件を満たした信託契約書の提示を求められることがあるため、金融機関への対応なども見据えて契約書の作成ができる専門家が適しています。
納得のできる料金体系であることを確認したうえで、信頼のおける専門家に依頼することをおすすめします。
依頼する前に、まずは相談をしてみて、家族信託や相続、税務の知識や実績があるのか、信頼できる対応をしてくれるかなどを見極めてみてはいかがでしょうか。
家族信託の費用を
安く抑えたい方へ

- 家族信託と成年後見はどちらの費用が安い?
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財産額などによって料金は大きく異なるため、一概にはどちらが安いとは言えません。
しかし成年後見制度で弁護士や司法書士などの専門家が成年後見人に選任される場合、後見が終了するまで(=親が亡くなるまで)専門家に月2万円~6万円の報酬を支払うため、このような場合には成年後見制度の方が高くなります。
家族信託と成年後見制度の費用について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託と成年後見制度はどちらの費用が高い?比べてみました
- 家族信託の費用を安くできますか?
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家族信託を行う際にかかる費用は信託財産の1%程度が目安と言われています。
登記費用や公証役場の費用など、契約内容に応じて別途費用が発生することもあります。
しかし経験豊富な専門家であれば、家族信託する財産を調整するなど、家族信託の費用を抑える方法を検討してくれるはずです。
家族信託の費用について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託と成年後見制度はどちらの費用が高い?比べてみました