家族信託をした後に必要な手続は?

家族信託をした後に必要な手続は?

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家族信託は、委託者と受託者との契約によりスタートします。

実際の現場では、家族信託の契約が締結できたことで、当事者の委託者・受託者となった方はホッと安心されます。

中にはこの契約の締結で全ての対策が完了したかのように思われる方もおりますが、信託開始時の手続きは契約締結後もしばらく続きます。

それでは、その契約により始まった家族信託において、その後に必要な手続はどんなものでしょうか?

今回の記事では、家族信託をした後に必要な手続についてご説明します。

家族信託の契約後に必要となる手続きとは?

家族信託の契約締結後には、その契約に基づき、家族信託の対象となった財産(信託財産)の管理、処分等を受託者が行えるように、財産の移転や名義変更等の手続きをする必要が出てきます。

例えば、信託財産が不動産であれば所有権移転の登記をすることになり、また、金銭であれば受託者名義の信託専用の口座(信託口口座)に資金移動をすることになります。

委託者の財産の管理権限のみを移行させても、受託者にその財産の現物を移転させなければ、実質的な管理が行えないことから、現物の移転を伴うことが必要です。

また、受託者に移転された信託財産は、受託者の固有財産とは分けて管理する必要があります。

信託法上、受託者にはこのような財産の「分別管理義務」が課されています。

信託財産の種類によって、必要となる手続きが異なります。

以下、信託財産の種類ごとに必要となる手続きを具体的にご紹介していきます。

信託財産が金銭の場合

信託財産が金銭の場合は、まず、受託者が管理する信託専用の口座(信託口口座)の開設手続きを行います。

信託財産を入れておく口座を別途作り、個人の財産と分けて管理するのです。

なお、信託法上は、信託された金銭の管理については「その計算を明らかにする方法(信託法34条2号ロ)」によるものとされており、必ずしも口座を分けることまでは求められていません。

つまり、計算さえしっかりできていれば、個人口座と同一の口座で管理しても、法律に反することはない、ということです。

とは言え、同一口座で信託財産と個人の財産を合わせて管理することは、管理の手間が増えますし、間違いも起こりやすくなるので、避けるほうが良いでしょう。

信託財産が不動産の場合

信託財産が不動産の場合、その不動産の所有権を受託者に移転することになります。

不動産の所有権を移転するためには登記手続きが必要となります。

具体的には、信託を登記の原因として、「所有権移転及び信託」の登記を申請することになります。

信託を原因とした所有権移転の登記を行うことで、登記上、所有者が受託者となり、受託者が信託によってこの不動産を管理処分する権限を有する旨を公示されることとなります。

この信託の登記に伴い、不動産の登記簿に信託目録が追加され、その目録上に委託者、受託者、受益者及び信託条項の表示がされることとなります。

また、登記の名義が受託者に変わることにより、信託契約をした年の次年度からの固定資産税の納税義務者も受託者に変わります。

納税通知書が受託者宛てに届くことになるのです。

受託者は、預かっている信託財産から納税資金を工面します。

さらに、信託した不動産に付保している損害保険(火災保険、地震保険等)の被保険者の名義も受託者へ変更する必要があります。

手続的には、保険会社に連絡して指示を仰ぐだけで問題ありません。

なお、信託した不動産が賃貸物件であり、管理会社に管理業務を委託されているときは、管理会社に対して所有者名義が変更となった旨をお伝えいただく必要がありますので、この点もご留意ください。

また、信託した不動産が区分所有マンションの場合には、管理組合への届出もしておきましょう。

信託財産が自社株の場合

信託財産が自社株である場合、会社法上、その株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、その株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができないとされています。(会社法154条の2第1項)。

中小企業では、株主名簿をしっかりと作っていない場合もあり得ますが、自社株を信託する際には、株主名簿もしっかりと作っておくようにしましょう。

株主名簿をしっかりと作ってあった場合には、信託した株式については、株主を受託者に書換、また当該株式が信託財産である旨も記載するようにします。

まとめ

今回は、家族信託をした後に必要な手続についてご説明いたしました。

家族信託の契約を締結した後も、実際に受託者が信託財産を管理・運用できる状態にするための手続きがしばらく続きますので、それが終わるまでは気を抜かないようにしましょう。

カテゴリー:家族信託

タグ:手続

この記事の監修者
新倉 由大(にいくら よしひろ)

司法書士
新倉 由大(にいくら よしひろ)

大阪出身/平成25年司法書士登録 お客様に安心を与え、信頼を戴けるよう、登記業務・法律業務を中心とした肌理の細かいサービスを提供を行っている。

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