委託者の想いがつまった家族信託~長期的な寄付を信託で実現~

委託者の想いがつまった家族信託~長期的な寄付を信託で実現~

最終更新日 公開日

私たちは、日々多くのお客様から資産管理や相続のご相談をいただいています。

ご相談にいらっしゃる方の多くは、

・両親が認知症の発症等により、判断能力が低下した後も、きちんとした介護や療養を受けさせてあげたい。(受託者の立場)

・自分が亡くなった後に子供たちが争わないように、遺した財産の分け方やつかい途について、自分の希望を伝えておきたい。(委託者の立場)

といったお気持ちです。

ただ、最近はそうでないケースも見え始めました。

年々増える寄付のご相談

最近では、寄付についてのご相談をいただくことも増えてきました。

ご自身が亡くなった後、大切なご家族にももちろん財産を引き継いでほしいけれど、自分が遺す財産の一部を教育や医療などに役立てるため、然るべき団体に寄付してほしい。というものです。

日本社会の高齢化が進むにつれて、60歳以上が保有する財産の額が年々増加傾向にあります。

厚生労働省が2020年7月31日に発表した「2019年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳で、男性は8年連続、女性は7年連続過去を更新しています。

被相続人が80歳以上の場合、相続人として財産を引き継ぐ方の多くは60代の方になります。お子さんがいらっしゃらない方で、兄弟が相続される場合は、この次もやはり70代、80代の方々が財産を引き継ぐことになります。

このように、日本人の平均寿命が延びた結果、60歳以上の世代で財産が循環しているということが、超高齢社会である日本の課題となっているのです。

もし、これらの財産の一部が寄付されていったら、それは、孫、ひ孫の世代に資産を遺すということにもつながります。

自分が遺した財産を寄付する方法① - 遺言書による方法

自分が遺した財産を寄付する方法の一つは、遺言書による方法です。

遺言書とは、自分が亡くなった時に遺した財産を、「誰に、どの財産をどのように引き継がせるか。」について、あらかじめ決めてものです。

一般的な承継先としては、やはりご自身の配偶者やお子さんが多いですが、その遺言の中で一部の財産を承継してほしい団体を書いておくことで、無償でその団体に財産を渡すことが可能になります。

ただし、財産を渡したい団体側に受け入れ態勢があるか、という問題がありますので、(遺言で財産をもらえるとされたものは、それを拒否することができます。)遺言で財産を特定の団体等に寄付しようとする場合には、あらかじめその団体が寄付を受け入れているか確認しておく必要があります。

自分が遺した財産を寄付する方法② - 家族信託による方法

実は、家族信託を活用して自分が残した財産を寄付する方法もあります。

私たちがサポートしたお客様の事例をもとに、ご説明します。(実際の事例とは内容を変えています。)

Aさんは研究者として仕事をしていましたが、定年で現役を退いて以降、ご自宅で生活をしていましたが、一度体調を崩したことをきっかけに、自分で資産管理ができなくなったときのことや亡くなった後の子どもたちへの資産承継について考えるようになりました。

その中で、自分の財産の一部を長年研究してきた分野の発展のために、ある団体へ寄付したいと考えるようになりました。

お子さんたちにも話したところ、全員が賛成してくれ、「お父さんが思うとおりにしたらいいよ。」と言ってくれています。

ただ一つ、Aさんには心配なことがありました。

それは、一度に多額の財産を寄付しても、その団体は有効に資金を使い切れないのではないか、というものでした。

そこで、何年かに渡って分けて寄付したほうがよいのではないか。と考えました。

その実現のため、家族信託の制度を活用しました。

具体的な内容としては、Aさんが亡くなった後も信託契約は終わらせず、信託財産に属する一部の金融財産に関する受益権を、寄付したい団体に渡します。

つまり、寄付したい団体が取得するのは、金融資産そのものではなく受益権になります。

受託者である長男Bさんは、信託契約の規定に従って

Aさんが存命の間はAさんのために財産管理をし、信託財産はAさんの生活・介護・療養のために使っていきます。

そして、Aさんが亡くなった後、信託契約で定められたとおり、受益権を取得した団体に、毎年決まった額を給付していくことになります。

このような方法をとることによって、一度に多額の金銭を寄付するのではなく、長年にわたって少しずつ寄付する方法をとることが可能となります。

さいごに

今回は、「自分が遺した財産を寄付する方法」についてお話しました。

さいごに1点、大切なポイントをお伝えします。

このように、一定の財産を寄付する旨の遺言や信託を作った場合、「寄付することにした財産は遺しておかなければならない。でも生前に使えなくなってしまうのは不安…」と感じる方もいます。

遺言や信託による遺贈寄付の場合、あくまでも財産の寄付は「もし本人が亡くなった時に財産が残っていたら」ということを前提としています。

つまり、もし指定した財産が残っていなかった場合でも、遺言や信託の一部が無効になるだけなので、何の問題もありません。

本人にとっては、リスクが0の寄付方法なのです。

とはいえ、実行する場合には税金やご家族に対する遺留分の問題も考慮する必要がありますから、ぜひ専門家に相談されることをおすすめします。

弊社でも遺贈寄付に関するご相談も承っています。

ぜひお気軽にご相談くださいませ。

カテゴリー:家族信託

タグ:委託者寄付

この記事の監修者
浅沼 礼奈(あさぬま れいな)

司法書士
浅沼 礼奈(あさぬま れいな)

東京生まれ、新潟・鹿児島・千葉育ち 年間80件近くのご家族にお会いし、家族信託・相続・事業承継のご相談に対応。それぞれのご家族オリジナルの財産管理・承継の仕組みをお客様と一緒に考えます。

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