家族信託とは「認知症による資産凍結」を防ぐ法的制度 です。
家族信託は比較的新しい制度のため、家族信託の実際のやり方・手続き・流れについて、体系的にまとまっている資料が少ないことが事実です。
そこで本記事では、家族信託のやり方・手続き・流れについてわかりやすく、かつ詳しくまとめました。
家族信託を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
※家族信託の制度についてはこちらの記事を参照ください。
家族信託をご検討中の方へ

「スマート家族信託」では、認知症による資産凍結問題に悩むお客様に、司法書士などの専門家がご家族に寄り添い、真心を込めて丁寧にご対応します。
全国から年間数千件のご相談に対応し、サービス満足度も96%を超えるなど、どなたにもきっとご満足いただけるご提案ができると考えております。
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目次
家族信託のやり方・手続きまとめ
家族信託のやり方・手続きは以下の通りです。
家族信託のやり方・手続き
- 専門家の無料相談を活用
- 家族信託をやることを親族で合意
- 家族信託する財産を決定
- 「信託契約書」原案の作成
- 信託契約書を「公正証書」で作成
- 信託財産を受託者名義へ変更
家族信託をするには、豊富な法律・税務の専門知識が必要となります。
そのため司法書士などの経験豊富な専門家と常に相談しながら、家族と家族信託について合意→家族信託で託す財産を決定→公正証書で信託契約書を作成→財産の名義変更と、順に進めていきます。
家族信託の契約までは、認知症の兆候がすでに現れているなどお急ぎの場合は早くて2週間、平均で1〜2ヶ月ほど要します。
家族信託のやり方・手続きやその流れについて、詳しく確認していきましょう。
家族信託の手続きに入る前に検討すべきこと
経験豊富な専門家に無料相談
家族信託は新しい制度であり、専門家でさえ家族信託に精通している人は少ないといわれています。
少なくとも数百件は家族信託の実際の組成を行ったことがある、経験豊富な専門家 への依頼がおすすめです。
また家族信託は非常に便利で柔軟な制度である一方、いくつかデメリットや注意点もあります。
特に最近では、インターネット上で家族信託の契約書ひな形が公開されていますが、ひな形はあくまで一般的な内容にとどまります。
家族信託の実際の内容は、家族ごとに財産内容、財産額、家族信託で達成したい目的が大きく違うため、一つのひな形で全てをカバーすることなどは到底できません。
サンプルやひな形はあくまでも参考の1つとして活用し、しっかりとご家族の事情に沿った納得のいく契約内容を作成していかなければ不適切なものになってしまう危険性もあります。
専門家と正しく家族信託を設計することで、将来的な相続争いの回避・法的に正しい家族信託の設計・節税などが実現します。
ご家族の現状(親御様の認知能力・ご家族構成・財産内容)などをお伝えすれば、経験豊富な専門家であれば、家族信託が本当に正しい対策なのか、他にもっと良い手段はないのか、など即座に必要な対策を伝えられるでしょう。
電話などで気軽に無料相談ができる専門家を選んで、必要な情報を収集しましょう。
家族信託は危険?実際に起こったトラブルや回避方法を徹底解説
優れた機能を持つ家族信託ですが、ノウハウ不足から危険な設計がされたり、トラブルに陥るケースがあり危険性があります。本記事では、家族信託に潜む危険性、リスク、トラブル事例やその回避方法をご紹介します。
家族信託をやることを親族で合意
家族信託の手続きを始める前に、トラブル回避のため家族・親族で話し合うことは必須です。
家族信託は将来のもしもに備えて財産の管理を身内に依頼できる制度で、高齢者本人が判断能力を有している段階で契約を行います。
つまり、現時点では本人(委託者)に認知機能などの問題がない状態であり、その段階で財産の管理を家族(受託者)のだれかが受け持つ仕組みを作ることになります。
そのため、家族信託の設計について、家族・親族(のちの相続人)が納得できるような明確な理由や目的が必要です。
相続時のトラブルを防ぐためにも、家族信託を何のために行うのか、どの財産を家族信託するのかなどについて家族で話し合いましょう。
誰が受託者になるか?
家族信託は、名称に「家族」とついているので、その名の通り家族間でしかできないのでは?と考えがちですが、実は家族間でなくとも、家族信託は締結できるのです。
したがって、直系親族以外の人、あるいは血縁関係のない第三者でも、家族信託の受託者になることができます。
また、家族信託で複数の受託者を設定することも可能です(長男・次男の2人に任せるなど)。
家族信託の目的に沿って、受託者の設定をしましょう。
家族信託で「受託者」になれるのは誰?受託者を選ぶ6つのポイントを解説!
今回は、家族信託で財産を預かる「受託者」について解説します。誰が受託者になれるのかという点は、家族信託のご相談の中で、よくいただくご質問です。その中でも、今回は、「未成年者・家族(子、孫などの直系親族)以外・複数名・委託者・受益者」これら5つの立場・状況にある方が、家族信託の受託者になりうるか、解説していきます。また受託者になった後にしなければならないことも解説します。
受益者と委託者の設定
一般的な家族信託では、「委託者・受益者=親」、「受託者=子」となります。
委託者以外の人を受益者とすることも可能ですが、注意が必要です。
例えば信託財産に収益を生み出す不動産や株式等が含まれる場合には、家族信託に移った後も継続して収益が発生することになります。
この利益を受け取る人を委託者以外の人に設定した場合、受益者に対して贈与税が課税される場合があるのです。
受益部分について課税されるなど、家族信託のメリットを最大限活かすことができないため、委託者=受益者でない信託(他益信託と言います)は一般にはオススメされません。
家族信託する財産を決定
次に検討すべき点は、家族信託する財産です。
一般的に、現金・預貯金・有価証券(株式など)・不動産などの信託が可能です。
ただし信託するか否かの区分けについて、身内での合意が必要だといえます。
信託財産は、受託者が管理・運営・処分(売却)できる権限を有するようになりますので、親族間でトラブルになるケースもあります。
信託するかしないかの合意を得た上で決めていくことが重要となるでしょう。
必要に応じて、委託者(親)個人の財産と、受託者(子)に任せる財産の間に線引きをしておくことで、万が一のトラブルを回避します。
信託期間を定める
委託者は、信託目的を達成するための信託の存続期間を定める必要があります。
この信託が存続する期間のことを『信託期間』といいます。
原則として信託期間の制限はありませんので、実務上は委託者の考える信託目的に応じて、信託期間を検討・設定することになります。
ただしいわゆる“受益者連続信託”においては、信託期間に法的制限があります。
受益者連続信託とは、委託者兼受益者が死亡しても信託契約を終了せず、信託契約で定めることにより、何代も先の受益権取得者を指定できるというものです。
信託法91条で定めがあるのですが、ここには、「受益者連続型信託は契約時から30年経過後の受益者の死亡によって受益権を取得した者が死亡するまで、または受益権が消滅するまでの間、効力を有する」旨の規定があります。
つまり、信託設定後30年を経過した後は、受益権の新たな取得は一度しか認められず、30年経過後に新たな受益者になった方が死亡した時点で強制的に信託は終了することになります。
なお一般的な信託においては、信託期間(信託の終了事由)の設定例としては、下記のようなものが挙げられます。
- 受益者及び受託者の合意
- 「受益者●●が死亡するまで」
- 「当初受益者及び第二受益者が死亡するまで」
- 「受託者が死亡するまで」
「信託監督人」の設置の検討
家族信託では、受託者が大きな権限を持つようになるため、その受託者を監督する立場の人(信託における「信託監督人」)を置くことが認められています。
信託監督人は委託者が財産をきちんと管理・運営しているかを監督することができますので、ある意味、財産についての権力を身内の中で分散する効果があります。
信託監督人を置きたい場合には、信託契約の際に、監督人を置く旨、および、誰を監督人とするかを定めることで設定可能です。
信託終了時の財産の帰属先を決定
信託契約の終了時に残った信託財産を「信託の残余財産」といい、この財産の受取人のことを「帰属権利者」といいます。
通常の場合、信託契約の中で残余財産の帰属権利者を定めます。
家族信託はあらかじめ権利の帰属先を決めておけるので、遺言のような使い方をすることができます (これを信託の「遺言代用機能」といいます)。
また帰属権利者は複数人設定することができます。
信託契約を結ぶ際に、残った信託財産の内、どの資産をどの帰属権利者へ帰属させるのかを別々に決めておくことも可能です。
役割の引継ぎについて
家族信託は家族間で取り決めを行って始められる手軽さがある一方で、もしもに備えて自分たちで自律的に決定しておかなくてはならないという責任感が必要です。
例えば、受益者が亡くなった場合、次の受益者を誰にすべきなのか。最終的に高齢の委託者本人が亡くなった場合、家族信託をどうするのか。
自分たちで判断して決めなければならないという責任も大きくなります。
この場合、委託者がなくなった場合は、信託を終了させて財産を相続人で分割するのか、または信託を継続させて受益者を変更する手続きを取るのか。
事前(生前)のうちに相談できるとはいえ、決定事項も多くなります。そのため関わりのある身内全員で十分に話し合い、合意することが重要だといえます。
家族信託の手続き・実際のやり方の流れ
親族内で家族信託の内容についての合意が得られたら、次はいよいよ具体的な家族信託の手続きを進めます。
「信託契約書」原案の作成
まずは「信託契約書」の原案を作成します。
- 信託の目的
- 委託者(受益者)と受託者
- 委託財産の内容
- 信託監督人を設置するかどうか
- 委託者や受益者が亡くなった後の取り扱い
契約書の内容は、できるだけ具体的に記載し、曖昧な表現やルールはできるだけ避けるようにします。
家族信託の「信託契約書(原案)」が作成できたら、できるだけ家族や関係する親族全員に見てもらい、内容を共有しておきましょう。
家族と密に情報を共有することで、トラブルを回避しやすくなります。
信託契約書を「公正証書」で作成
家族信託では基本的に、公正証書で信託契約書を作成します 。
公正証書とは、契約書や定款(会社の根本的な規則)等を公証人という法律の専門家がチェックの上、「確かに、契約などをした当事者が、その意思に基づいて作成しました」という証明をした書類です。
契約そのものは通常、当事者同士で契約書を作成して署名捺印すれば成立しますが、その「契約書」の内容を第三者にも対抗できる法的に正しい書類として作成するには、公正証書で作成する必要があります。
家族信託の内容について後々トラブルになるのを避けるためにも、公正証書での作成が安全だといえるでしょう。
実際にその家族信託がうまく機能するかどうかについては当事者の中で責任を持って作り込んでおく必要がありますが、公正証書で作成することにより、契約そのものの法的な正当性を証明することができます。
公正証書化に必要な書類
公正証書作成の際に一般的に必要となる書類は以下の通りです。
信託財産や依頼内容によって必要書類が異なる場合がありますので、事前に公証役場に必要書類を確認しておきましょう。
実印・印鑑証明書
信託契約書は実印で作成します。それぞれ委託者・受託者が居住の市区町村役場で登録した実印を用意し、各々その印鑑証明書を添付します。
公証役場で「公正証書」の作成当日には、実印を忘れないように持参しましょう。なお、印鑑証明書は3か月以内に取得したものとなります。
法務局で取得した「登記事項説明書」(不動産がある場合)
信託財産に関する資料として、不動産がある場合は、不動産の「登記事項証明書」を法務局で入手します。
また、不動産の価格を明確にするため、毎年市区町村役場から送られてくる「固定資産税課税明細書」も準備しましょう。
公正証書作成手数料
家族信託の信託契約書を公正証書にする場合は、信託物の価額により、数千円から数万円まで、作成手数料が異なります。
事前に公証役場で確認しておくと安心です。費用も準備しておきましょう。
銀行で「信託口口座」を開設
「信託契約書」(公正証書化)が完成したら、委託者の財産を受託者の名義に変更します。
家族信託した財産は「分別管理義務(信託法第34条)」に沿って個別に管理する必要がある ため、委託者(親)や受託者(子)の個人の銀行口座に入れておくことは、原則できません。
そのため「信託口口座」と呼ばれる、家族信託専用の銀行口座を開設します。
信託口口座とは、受託者が信託金銭を管理するための専用の口座で、名義は「委託者○○…、受託者○○…信託口」となるなど、通常の口座とは異なる取り扱いとなります。
また、信託口口座を開設できる金融機関は現在のところ限られており、すべての金融機関が対応しているわけではありません。
信託口口座の開設には、一定の審査(信託契約書の内容確認など)や費用が必要になることもあります。
信託法により守られている(倒産隔離機能)口座であり、一般的な銀行の口座開設のように簡単にはいきません。
「信託口口座」に対応できている銀行はまだまだ少なく、専門家と相談してどこの銀行に口座を作るかよく相談しましょう。
家族信託は銀行で出来る?対応している銀行一覧をまとめました
認知症の発症などにより意思能力を喪失してしまうと、金融機関側に口座の凍結をされることがあります。そのような事態になる前に「家族信託」の契約が済んでいれば、資産の名義を家族名義に変更できるため、財産管理を頼むことができるのです。この記事では金融機関での家族信託の対応と、取扱いの傾向についてご紹介します。
信託財産を受託者名義へ変更
信託財産に不動産が含まれる場合には、契約書の作成が完了したら、法務局にて不動産を受託者の名義にします。
名義変更後は登記簿に「受託者○○…」「委託者○○…」「受益者○○…」と記載されます。
また、通常の登記情報のほかに、「信託目録」という形で信託の内容も登記されることとなります。
不動産登記に必要な主な書類は以下の通りです。
- 委託者の実印/委託者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 不動産の登記済証または登記識別情報(いわゆる「権利証」)
- 委託者・受託者の本人確認資料
- 受託者の住民票/印鑑(こちらは認印でも可)
- その他、指定の書類
不動産の種類によっては、上記以外の書類も必要となります。詳しくは専門家に相談しましょう。
その他、次の事項についても該当項目があれば手続きが必要です。
- 建物の火災保険、地震保険等の契約者変更(建物を信託した場合)
- 固定資産税、水道光熱費などの引落口座変更
- 信託不動産に賃借人がいる場合の賃料振込口座変更
- 株主名簿の書き換え(株式を信託した場合)
【完全版】不動産を家族信託する方法・税金・メリット・デメリットなどを解説
自宅や収益用の不動産を所有している場合、自分でいつまで不動産の管理ができるのか、いざというときには、滞りなく売却して現金化することができるのか、など不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産所有者の場合、家族信託を活用してどのような対策を講じることができるのか、事例を含めて解説します。
家族信託の運用の開始
家族信託では、成年後見制度のような「裁判所」に対する報告義務はありませんが、財産管理について書類作成や受益者への報告義務があります(信託法37条)。
どのような財産を預かっていて、収支状況はどのようになっているのか、書類を作成して財産の管理や処分に関する資料を作成しなければなりません。。
- 財産の管理状況についての書類を作成
- 受益者に対し報告する義務
- 書類の保管
このように、家族とはいえ財産を預かる以上、書類作成や保管等の義務があります。
家族信託は、成年後見制度とは違い、裁判所等の第三者機関からチェックが入らないという一種の気楽さがありますが、使途不明金が出たり領収証等の不備が発生する、などの事態は避けなくてはなりません。
このような財産管理の報告書の作成・保存は手作業で行うと大変なものです。当社が提供する「スマート家族信託」アプリの活用などもご検討ください。
【家族信託の報告義務】家族信託をしたら受託者は面倒な作業が必要?
高齢になった親のサポート目的などで成年後見制度を利用した場合、親族が後見人に就任すると、毎年、家庭裁判所に収支状況等の報告義務があります。「財産目録」や「収支状況」等の内容です。では、家族信託を利用した場合、そのような報告義務はあるのでしょうか。受託者が作成する義務のある書類の内容について見ていきましょう。
家族信託の手続きに必要な費用
家族信託に関する契約や手続きについては専門的な知識が必要となる場面が多く、契約内容の正当性や税務上、問題のないものであるかどうかの事前確認を要します。
そのため、家族信託を専門に扱っている弁護士や司法書士などの専門家に相談、依頼することが一般的となっています。
専門家に依頼する場合の報酬・費用に加えて、公正証書を作成するときの費用、不動産登記関連の費用について見ていきましょう。
専門家へのコンサルティング料
家族信託を組成するには専門家のコンサルティングが欠かせません。その際にはコンサルティング料が必要となり、報酬の金額は信託する財産の量や内容によって異なります。
報酬・費用の相場としては、信託財産の1%程度。最低金額30万円程の専門家が多いようです。
例として、自宅不動産(評価額3,000万円)を信託する場合には、30万円程のコンサルティング料が発生することになります。
公正証書の作成費用
家族信託の「信託契約書」を公正証書にする際の手数料は、信託財産の金額によって変動し、信託財産の金額が大きいほど高くなります。
公証人の手数料は公証人法で決まっており、信託財産が1億円の場合で5万円程度です。
不動産登記費用
信託財産に不動産がある場合、法務局で名義変更の手続きが必要です。
この手続きを登記の専門家である司法書士に依頼する場合には、手数料として10~20万円程度必要となります。
また、不動産の登記では登録免許税を納める必要がありますが、その金額は不動産価格の1000分の4(0.4%)です。
ただし、土地については現在1000分の3に軽減されています。(令和5年3月31日まで)
税金
家族信託の利用に伴う税金関係についても確認をしておきましょう。
贈与税
贈与税とは「個人からの贈与によって財産を無償で取得した場合に、その取得した人に課税される税金」で、納税義務者は財産を貰った人(受贈者)です。
ほとんどの家族信託(自益信託)では、財産管理を託した委託者本人が受益者となります。
よって、本人のための財産を利用することにあたるため贈与税はかかりません。
一方、他益信託(委託者と受益者が別々の人物)では、贈与税が課税されることとなります。
そのため家族信託を行う際、通常は委託者と受益者を同一人物とします。
固定資産税
不動産の「所有者(所有権登記名義人)」には固定資産税が課税されます。
家族信託により「受託者」が不動産の名義人になるため、固定資産税の納税通知書は受託者のもとに届き、受託者が納付する必要があります。
受託者は信託財産の管理を託されており、固定資産税はその管理費用です。
そのため受託者は信託財産から固定資産税を支払うことができます。
この固定資産税の支払いを想定して、通常、不動産を信託する際は、現金も併せて信託します。
登録免許税
信託財産に不動産が含まれる場合、信託による所有権移転及び信託の登記を行う必要が生じます。
不動産を取得した場合にかかる「不動産取得税」については、受託者が実質的な所有権を取得したわけではないため不動産取得税はかかりませんが、信託の登記については登録免許税がかかります。
また、信託終了時も信託不動産を受託者から引き継ぐ人への所有権移転登記が必要となり、登録免許税がかかります。(通常、この登録免許税は不動産を引き継ぐ人が負担します)
なお、信託の終了などで委託者兼受益者に所有権を「戻す」場合には、登録免許税はかかりません。
【家族信託の費用と相場】安く抑えるためのポイントとは?司法書士が解説
家族信託には手続き上の実費や登記関連の費用のほか、専門家に依頼する場合には事案に応じて相応の費用が発生します。この記事では、家族信託にはどのような費用が、どのくらいかかるのか、費用を安く節約する方法はあるか、という点についてご紹介します。
家族信託の手続きを自分でやる場合の注意点やリスク
家族信託は複雑な手続きであるため、専門家と行うことが強く推奨されます。
家族信託の組成には法律や税金の専門知識が不可欠で、専門家以外が書類を作成すると、不備や問題が生じる可能性があります。
例えば信託契約書に不備があると信託自体が無効と見なされ、余計な税金がかかったり、相続トラブルが発生することもあります。
特に委託者が認知症になった後に不備が発覚すると、修正ができず取り返しがつかなくなります。
そのほかにも信託に不動産が含まれる場合の登記手続きや、契約書を公正証書にて作成するための公証役場の調整、契約書の打ち合わせなどが、家族信託を自分でやる場合には困難でしょう。
家族信託の手続きを自分でやる場合、専門家への報酬を支払う必要がないため金銭的な負担は軽減されますが、そのリスクや膨大な時間的負担を考えると、専門家に相談することの方がリスク・負担の両面から良いと言えるでしょう。
家族信託を自分でやる?必要な手続き・やり方・注意点を解説
この記事では、家族信託を自分でやる際のポイントをまとめています。特に家族信託を自分でやる場合の注意点について解説します。
家族信託を利用の際は専門家へ相談を
ここまで、家族信託のやり方、手続き、流れ、費用などについてお伝えしてきました。
家族信託は、委託者と受託者の合意の上で契約を結べば成立するため、成年後見制度に比べて煩雑さも少なく、身内の中でなんとかできるという手軽さがあります。
ただし他の親族の合意を得るべき点や、契約内容の精査・公正証書の手続き・不動産の名義変更など、責任を持って対処すべき点が多くあります。
そのため早い段階で専門家に相談の上、アドバイスを得ながら手続きを勧めていくことが、スムーズな信託の仕組みづくりや後々のトラブルを防ぐために役立つと言えます。
家族信託をご検討中の方へ

「スマート家族信託」では、認知症による資産凍結問題に悩むお客様に、司法書士などの専門家がご家族に寄り添い、真心を込めて丁寧にご対応します。
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どうぞお気軽に、
まずは無料相談をご活用ください。
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【参考記事】家族信託の手続きの契約書(家族信託契約書)の作成ポイントや注意点について: 家族信託に契約書がないと【無効に!?】| 家族信託契約書のポイント解説
- 家族信託を自分ですることはできる?
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可能ですが、非常に危険です。
家族信託は非常に難しい手続きで、信託内容や信託財産の設定を間違えてしまうと、法的に認められない信託になり、家族信託の目的を達成できなくなる可能性もあります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託を自分でやる?必要な手続き・やり方・注意点を解説
- 家族信託の費用を安くできますか?
-
家族信託を行う際にかかる費用は信託財産の1%程度が目安と言われています。
登記費用や公証役場の費用など、契約内容に応じて別途費用が発生することもあります。
しかし経験豊富な専門家であれば、家族信託する財産を調整するなど、家族信託の費用を抑える方法を検討してくれるはずです。
家族信託の費用について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託に必要な費用を解説!費用を安く抑えるポイントとは?