家族で不動産を共有名義にしているケースは多いと思います。

例えば、父と2人の子(兄、弟)の3人がいて、父と弟の共有名義の土地のうち、父の持ち分を家族信託して兄が受託者となるようなケースです。

不動産の持分の一部のみを家族信託の財産にすることはできるのでしょうか?その場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

今回の記事では、共有の不動産を家族信託するケースについてご説明します。

要約

  • 不動産を共有していると、いざという時に不動産の処分や管理ができない可能性がある
  • 家族信託を活用すれば不動産共有のトラブル防止の対策をすることができる
  • 家族信託で共有不動産の一部を家族信託の財産にすることは可能
  • また、共有不動産の全てを家族信託の財産にすることも可能
  • 全てを家族信託にすることで、売却を受託者のみで行えるメリットがある
  • デメリットもあるので、専門家に相談して最適な契約を!

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共有不動産の「一部」でも家族信託できる

先ず、共有不動産の一部の持分のみを家族信託の対象とすることはできるのでしょうか?

この場合、父と弟(二男)が共有する土地のうち、父の持分のみを対象として家族信託をするケースであり、例えば兄が受託者となるような家族信託は可能です。

また、父と弟の両持分を、家族信託で丸ごと兄に預けることも可能です。

家族信託の対象となる財産の範囲は、信託契約において信託財産に属するものと定められた財産をいいます(同法16条)。

信託契約で、共有の土地の持分を信託財産に属するべきものと定め、その共有持分の名義を受託者に変更する「共有持分全部移転」の登記の手続きを行うことで、信託の対象財産とすることができるのです。

つまり、一部の持分でも、全員の持分をまとめて丸ごとでも、信託契約や登記の手続きを完了させることで家族信託できるということになります。

共有不動産の「全体」を家族信託するメリットとは?

共有不動産の持分(一部)を家族信託することは可能で、また、各持分を合わせて、丸ごと1人の受託者に信託することも可能です。

しかし通常であれば、得られる利益を分配するために不動産を共有化するはずです。共有不動産の全体を家族信託することで得られるメリットとは、どのようなものなのでしょうか。

ここからは、共有不動産の全体(つまり不動産丸ごと)を信託した場合のメリットについて解説します。

共有不動産(の全部)を家族信託するメリットとして、以下のような内容があります。

  • 受託者に持分を集めることで、共有不動産の売却を受託者のみで行うことができるようになる。
  • 共有不動産が収益不動産である場合に、大規模修繕等の共有者全員の同意が必要な行為を受託者のみですることができる。
  • 持分権者ごとに発生する相続によって持分の名義人が分散するのを防ぐことができる。

通常、共有不動産の売却や大規模修繕などは、共有者全員の同意が必要です。

もし共有者の一人でも認知症等により判断能力を喪失していると、その同意が得られないという状況になります。

ここで家族信託をして受託者を決めておくことにより、このリスクを回避することができるようになります。

また、家族信託によって1人の受託者に共有持分の管理処分権限を集めることにより、相続などによる持分の分散リスクを回避することができます。

共有不動産には共有ならではの問題が起きやすいのですが、そのようなリスクを回避する手段として、家族信託は有効な対策となるのです。

不動産所有者が認知症になった場合、不動産売買はどのようにすれば良いのでしょうか。

その難しさについて、こちらの記事で解説しています。

認知症となり判断能力が低下してしまった場合にできなくなる事の代表例として、「不動産の売却」が挙げられます。その理由は、不動産取引の手続きにあります。この記事では、不動産取引の手続きや流れに加え、なぜ代理人を立てても不動産の売却ができないのかについて解説していきます。
【認知症と不動産売買】認知症になったら家は売れない?

共有の不動産を家族信託するデメリットとは?

不動産の運用という面でメリットのある共有不動産の家族信託ですが、その一方で、デメリットはあるのでしょうか?

家族信託の設定時や終了時に以下のような可能性が想定されます。

  • 共有持分を受託する人物によっては共有者同士のトラブルになる可能性
  • 家族信託の終了時、共有不動産を誰が取得するかによりトラブルになる可能性

受託者を誰にするかというのは、家族信託をする際にとても重要です。

共有不動産の管理処分権限を引き受ける受託者によっては、他の共有者との軋轢が出てくる可能性もあります。

また、父と弟の持分すべてを兄に任せるとして、それぞれ兄と家族信託の契約をした場合、父の死により信託契約が終了すると、相続の面で兄と弟でトラブルになる可能性もあります。

信託契約の設計時には、最終的に誰が不動産を受け取るのか、トラブルにならないよう組み立てていきます。

これらのデメリットについては信託の設計時に対策はできますし、委託者の判断能力が失われていない段階であれば、契約内容の改善も可能です。

そのため共有不動産をそのまま共有状態にしておくよりも、しっかりと設計した家族信託により持分を受託者に集約しておくことで得られるメリットの方が大きいといえるでしょう。

不動産を家族信託した際の税金面やデメリットについて、こちらでも解説しています。注意点もありますので確認しておきましょう。

自宅や収益用の不動産を所有している場合、自分でいつまで不動産の管理ができるのか、いざというときには、滞りなく売却して現金化することができるのか、など不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産所有者の場合、家族信託を活用してどのような対策を講じることができるのか、事例を含めて解説します。
【完全版】不動産を家族信託する方法・税金・メリット・デメリットなどを解説

共有不動産のデメリットを解決する手段として家族信託の活用を

今回は共有不動産の家族信託について見ていきました。

不動産の共有には、いざという時に不動産の処分ができない状態になってしまう等の管理上の不具合が生じることがあり、また、年月が経つと相続により共有者が増えてしまって管理が困難になるといった問題を招きやすい面があります。

そのため、共有者の意思統一をしやすい段階で、早めに家族信託を活用した対策をしておくことをお勧めいたします。

家族信託の始め方や管理を簡単にする方法について、こちらの記事でご紹介しています。

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