家族信託のご相談の中で多く頂くご質問内容が、信託したお金の管理方法や、そのお金はそもそも誰のもの?といったご質問です。

不動産であれば、明確に所有権移転の登記が行われますが、預貯金についてはどのような管理となるのでしょうか。

今回は、信託したお金の使い方や、管理方法についてお伝えします。

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信託したお金は誰のもの?どのように使う?

家族信託は、主に認知症対策として委託者が受託者を信頼して財産を託す制度です。
そのため受託者の仕事は、

  • 預かった信託資産を委託者のために管理する
  • 財産は委託者のもの
  • 受託者は信託契約に沿って管理・運用・処分を任されているのみ

受託者はこのような役割を引き受けることになります。

当然ですが、受託者が自分のためにそのお金を使ったり、「委託者のためにならない用途」に使用することは認められません。

また、信託契約の中で定めた目的や方法に沿う内容のみにお金を使用します。

信託したお金の管理方法

このため受託者は、委託者から託された財産と、元々保有する自身の財産(固有財産)とを明確に分けて管理することが必要となります。(分別管理義務・信託法第34条)

信託法が受託者に分別管理義務を課す理由は2つあり、「信託財産の特定」「忠実義務違反防止」など、もしもの事態に備えることが目的です。

【1】信託財産の特定

信託法では、信託財産の保全のため、受託者固有の債務の債権者等により強制執行がなされることを制限しています。

万が一信託財産が受託者固有の債務の債権者から差押え等の強制執行を受けた場合には、受託者は、信託財産であることをもって当該債権者に対して異議を主張することができます。(信託法第23条第1項、第5項)

そして差押え等の強制執行を受けた際、受託者は当該債権者に対して、強制執行された財産が信託財産であることを証明する必要があります。

委託者から託された財産と、元々保有する自身の財産(固有財産)とを明確に分けて管理されていることつまり、「分別管理義務」が尽くされていることで、その証明が容易になります。

【2】忠実義務違反防止

受託者には、信託法第30条により「受益者のために忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない」 という「忠実義務」が課されています。

信託財産が、外形上又は記録上、受託者の固有財産と明確に分別されることで、受託者が忠実義務違反行為を起こそうとした際の心理的な抑制効果が期待できます。

【3】損失のてん補責任

なお、受託者が分別管理義務に違反して、信託財産に属する財産と受託者の固有財産を分別していない状況で信託財産に損失が生じた場合、受託者は、その損失をてん補する責任を負うことになります。(信託法第40条第1項第1号)

信託用に別途管理する方法

これらの各規定から、受託者は、委託者から託された財産と、元々保有する自身の財産(固有財産)とを明確に分けて管理することが要請されています。

実務上は、新たに受託者の名義で信託用の口座を開設するなどの方法で管理することが一般的です。

[1]信託財産が預貯金の場合…信託専用の口座(信託口口座)を作成
[2]信託財産が不動産の場合…「所有権移転及び信託」の登記を申請
[3]信託財産が自社株の場合…株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載する

このような個別管理が必要となります。

各管理方法について、詳しくは下記記事『家族信託をした後に必要な手続きは?登記や口座開設のやり方について』にて解説していますのでご参照ください。

受託者がすべき報告義務

受託者は年に1度、収支状況を受益者に報告する義務があり、財産の管理や処分に関する資料を保管しておく必要があります。

(1)貸借対照表や損益計算書
(2)財産状況開示資料
(3)信託帳簿の作成

作成した(1)(2)の書類は、信託が終了し、清算が完了するまで保管しておく義務があります。また、(3)は法律上、10年間の保管義務が課されています。

家族どうしの契約とはいえ、正しい書類を作成し、確実に保管をするようにしましょうという主旨です。

家族信託にまつわる作成書類については下記記事でも解説していますのでご参照ください。

まとめ

預貯金については不動産のように信託登記を行う訳ではないため、受託者個人の財産と混在するリスクがあります。

信頼のおける家族間とはいえ、お金の管理についてはトラブルの種にもなりますから、通帳を分けるなど、管理する口座を分けて正確に管理を行っていくようにしましょう。

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