昨今、高齢者を狙った詐欺や訪問販売は後を絶ちません。

訪問販売は悪質なものばかりとは限りませんが、頻繁に営業マンが電話してきたり訪問をしてくるなど、迷惑に感じられる方も多いことでしょう。

自宅不動産を含めて一定の資産を保有していると、どこからともなく営業や投資勧誘の電話がかかってきます。

中には詐欺や悪質な営業も多く存在するため、高齢の親を持つ方にとっては「もし自分の両親が被害にあったら…」と不安に思うこともあるでしょう。

そこで役立つのが「家族信託」です。

本記事では、家族信託を用いて、これらの詐欺・訪問販売から高齢の親の資産を守る対策法について解説していきます。

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詐欺・訪問販売の対策としての「家族信託」

家族信託は財産の管理権を子などの家族に委ねる仕組みであり、財産の所有管理は受託者に移ります。

詐欺や訪問販売が来て、高齢の親が騙されてしまったとしても、だまされた本人のみでは財産の処分をすることができない状態にすることができるからです。

ここから、不動産と預貯金に分けて、家族信託によりどのように高齢家族を守っていくのか、具体的に説明していきます。

例として、高齢の親を財産の所有者「委託者(兼受益者)」、子を管理者である「受託者」という設定で解説します。

【不動産】信託登記による対策

不動産の情報については、インターネット上で誰でも取得することができる「登記情報サービス」という検索システムがあります。

営業マンが営業電話を行う際には、このようなデータをもとに不動産の名義人を確認して連絡することがあるのです。

信託登記により不動産の名義人は受託者へ

高齢者であれば在宅率も高く、アプローチしやすいと営業マンは考えますが、不動産を信託することで、登記簿上の不動産の名義人は現在の所有者から受託者に変更されます。

登記簿を見て信託されていることが分かれば、名義人は高齢者では無いことも分かるため連絡をしてくることはなくなるでしょう。

信託登記により新たに受託者名義で発行される権利証

また仮に不動産の売買や担保権の設定をしようとしても、不動産の信託登記をすると元の所有者である親が持っている権利証(登記識別情報)は失効の扱いとなります。

信託した不動産については、受託者名義で新たに権利証が発行され、委託者名義の権利証は失効する仕組みになっているためです。

したがって、高齢の親が所有している不動産でも信託することにより、受託者の確認なく動かすことはできなくなるのです。

信託登記により可能となる対策

つまり、不動産を家族信託することで

  • 信託登記により不動産の名義人は受託者に変更される
  • インターネットで閲覧できる「登記情報サービス」でも信託登記されている旨が分かる
  • 受託者名義での権利証が発行されるため、受託者の確認のない権利の移動は不可能となる

このような事前の対策が可能となります。

【預貯金】金銭を信託した場合

預貯金については、信託することで、受託者名義の別の銀行口座で管理が行われるようになります。

預金の引き出しや振り込みを行うことができるのは受託者だけであり、実質的な所有者である受益者(親)は、直接引き出しをすることができません。

したがって、詐欺や悪質な訪問販売があったとしても、高齢の親は信託財産から金銭の支払いをすることができないので、これらの被害に遭うことを防止できます。

預貯金を信託口口座に移す手続きや注意点について下記記事でも解説しています。信託口口座の作成時には注意点もありますのでぜひご参照ください。

→『家族信託の口座(信託口口座)のつくり方について解説

【注意点】家族信託で対策できる範囲について

家族信託を活用して詐欺や訪問販売から守ることはできますが、対策出来る範囲には限界もあります。まず、信託財産として組入れた財産しか守ることができないという点です。

(1)信託口口座の注意点

例えば預金について言えば、年金を信託財産に直接、組み入れることはできません(年金受給権は信託財産に該当しない)。

現に存在する預貯金残高については信託口口座への移動により信託財産として別管理にすることができますが、年金などこれから受け取る予定のお金については信託できないのです。信託口口座は年金受給口座として指定することもできません。

そのため、年金の受給で預金残高が増えていった場合や、保険の満期金が振り込まれた場合など、増えた残高を直接、詐欺被害等から守ることはできないため、その場合は、都度、資金移動をするなどの対策が必要となります。

その際には追加分も信託財産となるように信託契約書に明記しておく必要があります。

信託口口座については、金融機関との取引上、信託口口座の作成には信託契約を公正証書で作成する必要があるなど、以下のようなポイントがあります。

  • 年金を信託財産に直接、組み入れることはできない
  • 信託口口座は年金受給口座として指定できない
  • 信託口口座の作成には信託契約を公正証書で作成する必要がある

(2)家族信託を契約できる時期について

家族信託については信託契約を結ぶため、委託者本人の意思能力が必要だという前提条件があります。意思能力や判断能力が低下してしまうと、契約を成立させることが難しくなる場合があるのです。

家族信託の検討に際して不安のある場合は、不動産登記等を行う司法書士などの専門家へぜひご相談ください。

契約が出来る段階かどうかについて検討することも可能ですし、また、契約内容を変更することで信託契約の成立が可能となるケースもあるからです。

【成年後見制度】活用については慎重に

もし高齢の親が不当な訪問販売により物品の購入をした場合であっても、「成年後見制度」を利用中であれば後見人が取り消すことが可能です。

多少強引な訪問販売であったとしても、これを無かったことにすることができます。

しかし、成年後見制度の利用には家庭裁判所での審判を要し、実際の利用開始までには時間が掛かります。

また、家庭裁判所の監督下にあることから資産の使い道が限られる点や、後見人・後見監督人への報酬など、永続的な費用が発生する可能性があります。

下記記事でも解説していますので制度の利用にあたってはその特徴をよく理解し、慎重に検討しましょう。
→『利用前に必ず抑えておきたい!成年後見制度のデメリット3つ

まとめ

家族信託は、認知症対策として資産の凍結を防ぐ効果もありますが、資産を不用意に流出するような被害からも資産を守ることができます。

高齢化が一層進んでいく中で、手口も巧妙化し、高齢者の詐欺被害なども増えていくことが予想されます。

将来へ向けた重要な対策法としても家族信託が有効な手段であるということを是非覚えておきましょう。

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