「公正証書」で信託契約書が作成されていない家族信託は危険なのか!?

「公正証書」で信託契約書が作成されていない家族信託は危険なのか!?

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信託契約書の作成パターンは主に2つあります。

公正証書で作成するパターンと、私文書で作成するパターンです。

信託法は、信託契約書は公正証書で作成しなさいとは言っておりません(自己信託を除く)ので、わざわざ公正証書で作成しなくても問題はありません。

ですが、公正証書で作成した方が良い場合もあります。

公正証書で信託契約書を作成した方が良いケース

不動産や株式を信託する場合

例えば、信託財産に不動産がある場合に、その不動産に抵当権等の担保が設定されている場合や、受託者が信託不動産を担保に借入れを行う予定がある場合など、金融機関との絡みが予想される場合には公正証書で信託契約書を作成しましょう。

金融機関が関連してくる場合には、金融機関から公正証書で信託契約書を作成することを義務付けられるケースがほとんどです。

株式を信託する場合の証券会社の対応も同様です。

法律上は公正証書で作成する義務はありませんが、銀行や証券会社が関与する場合は、彼らの内部の取り決めで公正証書で作成しないと手続きができないのです。

このように、実務上、公正証書での作成を義務付けられるのは、委託者と受託者で作成した信託契約書(私文書)よりは、公証人という第三者の目を通して作成された公正証書の方が信用力が高いからです。

推定相続人が複数名いる場合

例えば、父を委託者、長男を受託者、父の死亡後に受益権は長男に承継されるとするような信託契約の場合で、他の推定相続人(例えば次男、三男・・など)が存在する場合です。

もし信託契約に納得をしていない人(例えば次男)がいた場合に、後日、

「親父と兄貴の信託契約は無効だ!あの当時、親父は既に認知症になっていて、契約ができる程の意思能力はなかったはずだ!」

と言われてしまった場合に、私文書だと信託契約の有効性(契約当時も父は意思能力を有していたこと)を証明するのが難しくなります。

このような場合には、公正証書で信託契約書を作成しておくと安心です。

公証人という第三者が、父の本人確認・意思確認をするので、契約当時も父が意思能力を有していたという客観的な証拠になりうるからです。

なお、残念ながら、相続を機に兄弟間の仲が悪くなるケースは多いです。

信託契約をした当時と相続発生後では、環境・状況の変化もあるからでしょう。

そのため、契約時において兄弟間で信託契約の内容に納得されており、兄弟間の仲が悪くなくても、できる限り公正証書で作成することをおすすめします。

私文書で公正証書を作成するケース

上記のパターン以外であれば、私文書で作成しても基本的には差し支えはありません。

例えば、金銭を信託する場合や、既存の借入がなく、かつ、今後も借り入れ予定がない不動産(例えばご自宅等)を信託財産とする場合などです。

ただし、信託契約書を私文書で作成する場合であっても、できる限り専門家に作成を依頼した方が良いです。

と言うのも、家族信託は専門家でも頭を悩ますほど、検討事項や注意点が多いのです。

よく家族信託は「家族ごとのオーダーメイド」と言われますが、本当にその通りなのです。

ネット等で公開されている家族信託契約書のひな形は、実際にそのまま使えるケース(そのまま使っても問題ないケース)はほとんどありません。

過去に専門家を通さず自分たちで私文書で締結した信託契約書(ネット上の信託契約書を参考に作成されたそうです)を拝見したことがありますが、その契約書は法律的に無効になる可能性があるものでした。

もちろん、その方については適切なアドバイスはさせていただきましたが、専門家の助言を得ずに信託契約書を作ってしまうと、無効になってしまったり、最悪の場合、予期せぬ課税を受けて財産を減らしてしまうことも考えられます。

特に税務の問題は一般の方にとっては非常に複雑な問題となりますので、私文書で信託契約書を作成する際も、できる限り専門家に依頼をして作成をした方が安心です。

まとめ

今回は信託契約書を公正証書以外で作成しても問題ないか?について解説しました。

結論としては、法律上は問題ないですが、関連する様々な手続きを進める上では、公正証書での作成を義務付けられることがあるので注意が必要です。

また、契約が無効となってしまうことや、予期せぬ課税を受けてしまうことを避けるため、私文書で信託契約書を作成できる場合であっても、できる限り専門家に信託契約書の作成を依頼されることをおすすめします。

カテゴリー:家族信託

タグ:公正証書危険

この記事の監修者
鈴木 大崇(すずき ひろたか)

司法書士
鈴木 大崇(すずき ひろたか)

東京都江戸川区出身/令和2年司法書士登録 トリニティグループの家族信託部門にて、信託財産数億円に及ぶ家族信託から自社株式の家族信託まで、幅広い家族信託案件に対応している。

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