成年後見制度(せいねんこうけんせいど)とは認知症などで判断能力が低下した人をサポートする制度 です。

本人に代わって契約手続きや財産管理のサポートを行なう「成年後見人 」が家庭裁判所によって選任され、本人の代わりに契約手続きや財産管理などを行います。

超高齢社会化が進む日本では、認知症患者が急増しており、成年後見制度の重要度が年々増加してきています。

しかしニュースなどでも数多く取り上げられているように、成年後見制度には横領リスクなどいくつかのデメリット・リスクもあります。

この記事では成年後見制度とは?についてわかりやすく解説しながら、成年後見制度が抱える問題点についても説明していきます。

要約

  • 成年後見制度とは、認知症などによって判断能力を喪失してしまった人の後見人を選び支援する制度
  • 制度を利用するきっかけとして最も多い理由が「預貯金などの財産管理・解約」
  • 成年後見制度は横領リスクがある、費用が高い、財産の使途に制限があるなどデメリットもある
  • 対象者が完全に認知症になる前であれば任意後見や家族信託も検討できる

成年後見制度でお悩みの方へ

専門家のイメージ

家族信託の「おやとこ」では、認知症による財産管理問題に悩むお客様に、司法書士などの専門家がご家族に寄り添い、真心を込めて丁寧にご対応
します。

認知症に完全になる前であれば、任意後見や家族信託など、様々な制度を選択することもできます。費用や各制度のデメリットなど、専門家と相談し慎重に決めることをおすすめします。

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成年後見制度とは?

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成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力を喪失してしまった人の援助者を選び、法律的に支援する制度 です。

家庭裁判所に申立てて成年後見制度を利用すると、本人の代わりに「後見人」が代理権をもって法的な行為や財産の管理を行うことになります。

預金口座から自分のお金を払い出す行為も、本人に限定された法律行為に該当します。

つまり認知症などで判断能力が低下すると、金融機関としては本人の意思確認ができないことから取引不可と判断されてしまうのです。

そこで、法律行為や財産管理をする目的で後見人を付けることにより、預金管理や手続きを可能にします。

例えば身寄りのない高齢者のサポートのため、利用先の介護事業所等が本人のために家庭裁判所に申立てるケースもあり、成年後見制度は認知症の高齢者にとって必要な制度となっているのです。

成年後見制度はどのようなきっかけで利用されている?

最も多い理由が、預貯金等の管理・解約が必要な場合です。

その他にも本人に代わって対応が必要な、生活する上での必要な法的手続きや契約が必要な場面、不動産処分・相続手続き等の場面で必要とされています。

それぞれ具体的にご紹介いたします。

預貯金等の管理・解約

成年後見制度を利用するきっかけとして最も多い理由が、預貯金等の管理・解約 です。

裁判所が公表しているデータ(※)によれば、成年後見制度を申立てた方のうち約4割弱が、預貯金等の管理・解約をする必要が生じたことをきっかけに成年後見制度を利用しています。
(※参照:最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況)

認知症の高齢者の家族が本人の口座から介護費用などを引き出そうとしても、銀行は本人でなければ引き出しに応じません。
また、本人が窓口に来た際も、判断能力や意思の確認を行います。

つまり認知症により意思能力を喪失してしまった場合、金融機関としては資金を凍結せざるを得なくなるのです。

しかし、年金などの入金や生活費の払い出し・介護費の支払いもあるでしょう。

この状況を打破するためには成年後見制度を利用して、本人の法律上の代理人である後見人を家庭裁判所に選任してもらい、本人の代理で預金支払いを行う方法しかありません。

身上保護

身上保護とは、住居の確保・病院への入院手続き・要介護認定の申請手続きなどの 本人が生活する上での必要な法的手続きを行うこと を指します。

これらの法的手続きは、本人を除くと成年後見人などの法定代理人のみ行うことができるものです。

介護保険契約

介護施設への入所手続きや、それに伴う介護保険の契約といった手続きも、本人を除くと成年後見人などの法定代理人でなければ代理で行うことはできません。

介護施設への入所を検討している場合は、あらかじめ成年後見人の選任手続きをしておくと良いでしょう。

不動産の処分

介護施設への入居により実家が空き家になるケースや、介護費用を捻出するため自宅不動産を売却するケースもよく起こり得ます。

不動産の売却には売買契約の締結が必要です。

しかし自宅不動産の名義人が認知症等により適切な判断能力を失っていると、法律行為を行うことができないと判断されてしまいます。
こういった状況が、成年後見制度を利用するきっかけの一つとなっています。

相続手続き

遺産分割協議など「相続手続き」の目的で成年後見制度を申し立てるケースや、
成年後見制度を利用する人がその親族の相続人となるケースもあります。

相続人が1名のみの場合は、その1名の相続人に財産の名義変更をすれば完了です。

相続人が2名以上の場合は「遺産分割協議」が必要となり、財産の分け方で全員が合意する必要があります。

遺言書で配分されている場合でも、最低限の取得分を請求をする「遺留分請求」が起こされると、その協議も必要です。

これらの分割協議がまとまらなければ、相続人のだれかが「遺産分割調停」を申し立てる可能性もあります。

そのため、どのような取り決めになったとしても相続人には意思能力が必須です。

このように、相続が発生した場合に相続人の意思能力の有無が問題となることがあるため、相続手続きを目的とした申立てが行われる可能性があるのです。

保険金受取

保険金の請求手続きも法律行為とみなされます。

保険の契約があり、家族が亡くなったり、病気になったり、事故に遭ったりした場合の保険請求には意思能力が必要です。

ただし、保険金を受け取る手続きのために成年後見制度を申し立てるというのは負担も大きいといえます。

そのため、保険請求をする人を事前に決める「指定請求代理人」を指定しておくと良いでしょう。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

認知症が進行して重症化すると、行動が難しくなるだけでなく、法的な行為について取引が認められないことになります。このような事態を支えるために、民法では「成年後見制度」という制度があります。この記事では成年後見制度の解説とともに、主にどのような理由で家庭裁判に申立てを行っているのか、裁判所の公表データをご説明します。
成年後見制度を利用する理由で一番多いのは●●だった

成年後見制度ができるまで

成年後見制度は、旧「禁治産制度(きんちさんせいど)」という制度が改正され登場しました。

旧民法から続いた禁治産制度は弱者を守る制度でしたが、認定されると戸籍に登記され、差別的なイメージもあるなどの理由から、利用を避けられやすいという問題点がありました。

日本の高齢者の増加や認知症患者の増加に加え、障がい者の権利保護の考え方が社会に浸透してきたこともあり、1999年12月8日の民法改正(2000年4月1日施行)によって「成年後見制度」に名称や内容が改められたのです。

成年後見制度の種類

成年後見制度には2種類あり「法定後見制度」と「任意後見制度」に分けられます。

法定後見制度

法定後見制度は、認知症などによって財産管理が難しくなる状況を迎えてから家庭裁判所に申立てる制度です。

任意後見制度

一方、任意後見制度とは本人がまだ元気なうちに後見人となる人を契約で定めておく制度です。

任意後見制度の方が本人の意思を反映しやすく、比較的自由度も高い制度と言えます。

法定後見制度の3類型(後見・保佐・補助)

法定後見制度は、さらに「後見」「保佐」「補助」の3種類に分かれます。

ここからこの3種類について解説いたします。

後見

「後見」は、最も手厚い支援が必要な重度の認知症患者や精神障害を抱えた方のための制度です。

後見が開始すると、本人は日常生活に必要なもの以外のすべての法律行為が行えなくなります。

本人が行った法律行為は後見人が取り消すことができます。

万が一、ご本人が訪問販売や通販などで必要のないものを買ってしまった場合でも、それが日常生活に関係のない物である場合には、後からキャンセルすることが可能です。

保佐

「保佐」は中程度の支援が必要な方のための制度です。

保佐の場合には、後見人ではなく、保佐人が選任され本人を支援します。

保佐が開始すると、重要な行為として法律で定められた法律行為(不動産の売却や借金をする行為等)を保佐人の同意なく行うことができなくなります。

また、重要な法律行為に限り保佐人が取り消すことができます。

補助

「補助」は軽度の支援で足りる方のための制度です。

補助の場合には、補助人が選任され、本人を支援します。

予め定められた特定の法律行為についてのみ、補助人が支援を行います。

法定後見制度は、なるべく本人の意思が尊重されるよう、本人の能力に応じてサポートする代理人の介入度合いを調整することができる構造になっています。

成年後見人になれる人となれない人

法定後見制度における後見人は、家庭裁判所が選任します。

司法書士や弁護士など法律の専門家や、社会福祉士など福祉の専門家が後見人になるケースが多くを占めています。

家庭裁判所が選任するため、家族が希望しても希望が通るとは限りません。
本人の家族が後見人になる場合は、全体の約19%です。

参考記事:家族・親族は成年後見人になれる?後見人の選び方や手続き方法とは

法定後見制度はどのように利用するのか?

法定後見制度の利用は以下のような流れで行います。

① 家庭裁判所に対して、後見人の選任を申立てる

後見人の選任申立ての手続きは、通常、4親等内の親族から行います。

申立書などの必要書類をそろえて家庭裁判所に申立てを行い、その際に後見人の候補者を立てることができます。

申立人が自らを候補者として申立てを行うこともできますし、信頼のできる専門家(司法書士や弁護士など)を候補者とすることもできます。

ただし、この候補者が選任されるかどうかは家庭裁判所が判断します。
例えば、親族が後見人になることを希望していた場合でも、他の親族がそれに反対していれば候補者が後見人になることはありません。

候補者がいない場合や、候補者として挙げられた方が適任ではないと裁判所が考えた場合には、司法書士や弁護士が後見人に選任されます。

実際に後見人として選ばれる職種の割合は次の通りです。
弁護士や司法書士といった専門家が選任されるケースの方が圧倒的多数となっています。

後見人の内訳

参照資料:成年後見関係事件の概況 - 令和2年1月~12月-(最高裁判所事務総局家庭局)

② 選ばれた成年後見人が財産目録を作成し整理する

後見人に選ばれた人の最初の仕事は、本人の財産を把握して管理できる状態にすることです。

本人が保有している銀行預金や不動産・保険など財産の一切を把握し、財産目録を作成します。
また、銀行預金は管理しやすいよう口座を一本化するような場合もあります。

③ 後見人は財産の管理を行い、毎年報告する義務がある

法定後見制度が開始すると、以後、財産の管理は後見人が行います。

金融機関によって細かいルールは異なりますが、ご家族はもちろんのこと本人も預金を引き出したりすることはできなくなります。

後見人は財産の管理の結果や本人の収支の状況などを所定の書式にまとめて家庭裁判所に提出します。
その際に後見人が報酬を求めた場合は、家庭裁判所の決定した額の報酬を受け取ることができます。

親族が後見人になった場合は後見人報酬を受け取らないというケースにすることもできますが、専門家が後見人になる場合、この後見報酬は必ず必要となるのです。

参考記事

成年後見制度は、家庭裁判所に対して後見人の選任を申立てることで開始します。この申立手続は、本人・配偶者・四親等以内の親族などから行うことが可能です。この記事では専門家に頼らず、本人の家族がご自身で成年後見の手続きを進めるために必要な情報をまとめました。
【完全版】成年後見制度の手続きの流れや申立方法を司法書士が解説

成年後見制度の現状

成年後見制度は超高齢社会の日本において、非常に重要な役割を期待されています。
2025年には、認知症患者が730万人を超えると推計されているため、その方々の支援を行う受け皿が必要になります。

しかし、成年後見制度の利用者数は、令和2年時点で17万4,680人です。

同年の認知症患者は602万人とされているため、成年後見制度利用者は3%にも届かない数にとどまっています。
広く利用されているとは言い難い状況ですね。

成年後見制度の普及を妨げる要因として、制度の使いづらさが指摘されています。

成年後見制度の利用を開始すると、基本的に亡くなるまで一生利用し続けなければならず、また、後見人に対して支払う報酬も高額になります。

こういった部分が成年後見制度の利用が避けられる大きな要因となっているようです。

政府はそのような状況を改善すべく、成年後見制度の抜本的な改正を検討し始めています。

2021年末、成年後見制度の利用を促進する2022年度からの5カ年計画案を発表しました。

制度を短期間のみ利用することを可能にしたり、途中で後見人を交代したりすることができるようにする改正が検討されています。

現状としては使い勝手の面で問題があるといえますが、今後の展開に注目が集まっています。

成年後見制度を利用する際の3つのメリット

家族信託と成年後見制度(法定後見制度)は特徴が違い、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ここではまずメリットから見ていきましょう。

成年後見人は、本人の預貯金や不動産を管理できる

裁判所が公表しているデータ(※)によると、成年後見制度を申立てた方のうち約4割弱が、預貯金等の管理・解約をする必要が生じたことをきっかけに成年後見制度を利用しているようです。

参照:最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況

認知症高齢者の家族が、本人の口座から代理で介護費用などを引き出そうとしても、銀行は本人でなければ引き出しに応じません。

また、本人が窓口に来た際も、判断能力や意思の確認を行います。
つまり、認知症で意思能力を喪失してしまうと金融機関としては資金を凍結せざるを得なくなるのです。

この状況を打破するための方法が、成年後見制度を利用することなのです。

成年後見人は、本人が行った契約を取り消せる

本人が行った法律行為は後見人が取り消すことができます。

万が一訪問販売や通販などでご本人が必要のないものを買ってしまっても、それが日常生活に関係のない物である場合は、後からキャンセルすることが可能ということです。

成年後見人は、本人の生活に必要な契約を代理で行える

本人の介護施設、デイサービス利用契約等の手続き等を指します。

成年後見制度を利用する際の3つのデメリット

このように成年後見制度は、認知症などにより判断能力が低下してしまった人の生活と財産を保護することを目的として運用されています。

後見を受ける本人の財産が極めて少ない場合には親族の後見人のみで後見がスタートする場合もあります。

しかし基本的には裁判所や専門家が関わることになるため、一般的に使いづらさやデメリットと感じる点も多いのが実情です。

必要な制度ではあるものの、利用する場合には以下のようなデメリット面が想定されます。

[1]専門家の後見人・後見監督人が入る

家庭裁判所により後見人が選任されて後見が開始すると、それまで滞っていた預金の払い戻し等が可能となります。

後見人には希望に応じて親族が認定されることもあれば、弁護士や司法書士といった専門家が就任することもあります。
統計的には、全体の8割が専門家の後見人です。

親族が後見人を希望して認定された場合でも、後見人を監督する立場として「後見監督人」が選任されるケースもあります。

つまり、後見制度を利用する場合には後見人または後見監督人として、弁護士・司法書士などの専門家が関与する可能性が高くなるのです。

[2] 後見事務・後見人に対する報酬(費用)が発生する

認知症の場合は基本的に本人が亡くなるまで、後見人を通して財産の処分を行うこととなります。

本人のための支出についても、家族が生活費を立て替えた場合は後見人に対して領収書を提示して請求しなければなりません。

専門家が後見人や後見監督人につくと、報酬の支払いも発生します。
これらが長年継続することになるのです。

支払いは後見を受けている本人の財産から支出しますが、決して少なくない報酬の支払いが続くため、この点でも負担が大きいといえるでしょう。

報酬についてはこちらでも解説しています。
【完全版】成年後見制度の費用・後見人への毎月の報酬について解説

専門家の後見人は成年後見制度を厳格に運用する責務があり、家庭裁判所も管理を担うため、一般の感覚よりも厳しい管理内容となります。

また、制度の利用を始めると基本的に途中で停止することは出来ません。

これらのデメリットについても、あらかじめ把握しておく必要があるでしょう。

[3]相続税対策や資産運用などができなくなる

家庭裁判所は 「本人の財産保護の観点」からその監督を行うため、親族にとっては以下のような点が負担になることがあります。

  • 同居の親族と共同生活をしている場合でも生活費の負担割合を明確にしなければならない。
  • 本人の財産を他の親族の利益のために使用・活用することができない。
  • 不動産投資や株式投資など、積極的な資産運用ができなくなる。
  • 相続税対策としての不動産購入や保険の加入などができなくなる。

後見が始まると、原則的に本人の財産は本人のためにしか使用できなくなります。

もし親族が本人の収入により生活を賄っていた場合、後見が始まると自らの生活費を工面する必要が出てきます。

例外的に、扶養義務がある場合など、親族の生活費を本人の財産から負担して問題ないものと判断するケースもありますが、その金額は「相当の範囲」に制限されます。

本人が潤沢な財産を持っていたとしても、その財産を活用して親族のために活用することは原則、認められていません。

また、資産運用していた場合でも、後見人は本人の資産の積極的な運用はできる限り控え、預金など、少なくとも元本が減少するリスクのない形で資産を保持することになるのです。

したがって、後見開始後は上記のようないわゆる資産運用はできなくなり、また、すでに収益目的で所持している不動産や有価証券は徐々に現金などに換価されていくことになります。

相続税対策についても本人の直接の利益にならないと判断される傾向があります。

相続税対策が途中の段階である場合などは、成年後見制度の利用を開始するか慎重に検討する必要があるといえるでしょう。

こちらの記事でも成年後見制度の利用前に押さえておきたいポイントを解説しています。

この記事では、成年後見制度の注意点やデメリットの中から、5つのポイントに絞って解説します。家族が将来、同制度を利用するかもしれないと考えている場合はぜひ参考にしてみてください。
成年後見制度の5つのデメリットとは?利用による問題点や生じた事例と対策も解説

成年後見制度の利用にかかる費用

成年後見制度を利用するには最初の申立て時点での費用をはじめ、実際に後見人による財産管理が始まってからも後見人に対する報酬が必要になる場合があります。

成年後見制度の利用における費用を、以下にて説明していきます。

法定後見制度の利用にかかる費用

  • 申立にかかる費用(貼用収入印紙):800円
  • 登記にかかる費用(予納収入印紙):2,600円
  • 郵便切手(予納郵便切手):約3,200〜3,500円程度 (各家庭裁判所により多少の変動あり)
  • 専門家に手続きを依頼する際の報酬相場:10〜20万円ほど
  • 専門家が成年後見人の場合:基本報酬:月額2〜6万円 (家庭裁判所が決定)

基本報酬に加え「特別に困難な業務が発生した場合」や、日常業務以外に「特別な業務を行う場合」には「付加報酬」が発生 します。

付加報酬の額は家裁が決定しますが、後見人が行った業務の難易度に応じて、 数十万〜100万を超えることも 考えられます。

任意後見制度の利用にかかる費用

  • 申立にかかる費用(貼用収入印紙):1,100円
  • 登記嘱託手数料:1,400円
  • 印紙代:2,600円程度
  • 専門家に手続きを依頼する際の報酬相場:10〜20万円ほど
  • 「任意後見監督人」への報酬:基本報酬:月額1~3万円(家庭裁判所が決定)

任意後見監督人だけでなく、 任意後見人への報酬を契約で定めていた場合には、その報酬の負担 も発生します。

任意後見人は専門家に依頼する場合には報酬の設定をするケースがほとんどです。
逆に、親族同士の場合には任意後見人の報酬は設定しないケースが多いようです。

詳細な費用内訳と家族信託費用との比較を、こちらで解説しています。

親が高齢となり「認知症などによって、両親の財産の管理ができなくなったら」と不安に思うことはありませんか。実際、認知症の発症・判断能力の低下によって、利用している金融機関に口座の利用凍結をされることがあります。本記事では、将来の不安に備える対策として、「家族信託」と「後見人制度」について、費用面の比較をしていきます。
家族信託と成年後見制度はどちらの費用が高い?比べてみました

成年後見制度を利用しない認知症対策は家族信託

認知症などの判断能力の低下は、高齢になるとだれもが抱えるリスクです。

今は大丈夫であっても将来は適切な判断ができなくなるかもしれません。
万が一に備えて準備しておくことは大変重要な課題だといえます。

そのような中、成年後見制度は一定の優れた機能を持っていますが、デメリットもよく確認した上での検討が必要だといえます。

例えば、家族信託であれば本人の判断能力のあるうちに、自身の資産をどうすべきか、だれに依頼して手続きを代行してもらうのかを指定しておくことができます。

家族信託は「認知症による資産凍結」を防ぐ法的制度です。認知症が進行し意思能力を喪失したと判断されてしまうと、銀行預金を引き下ろせない、定期預金を解約できない(口座凍結)、自宅を売却できないなどのいわゆる「資産凍結」状態に陥ってしまいます。そのような事態を防ぐために、近年「家族信託」が注目されてきています。この記事では家族信託の仕組みやメリット、デメリットをわかりやすく解説します。
家族信託とは?わかりやすくメリット・デメリットを徹底解説します

預金だけでなく、相続についても指定が可能です。
つまり本人の意思・判断能力がしっかりしているうちに希望や意向を反映させることができるのです。

しかも、資産の管理を指定された受託者が行うため、希望に応じて家族の中でお金の管理を取り扱うことができます。

例えば持ち家を売却して老人ホームへの入所資金にするなど、希望に合わせた資産の管理・処分が可能です。

ここまでの内容を参考に、家族とってどのような対策が有効か、どのような選択肢があるのか、ぜひ検討をしてみてください。

高齢者の財産を本人以外が管理するには、家族信託と成年後見制度があります。家族信託と成年後見制度は特徴が異なるため違いについてしっかり理解することが重要です。家族信託と成年後見制度の違いや、どちらを使うべきか?について解説します。
家族信託と成年後見の違いは?どちらを使うべき?

成年後見制度でお悩みの方へ

専門家のイメージ

家族信託の「おやとこ」では、認知症による財産管理問題に悩むお客様に、司法書士などの専門家がご家族に寄り添い、真心を込めて丁寧にご対応
します。

認知症に完全になる前であれば、任意後見や家族信託など、様々な制度を選択することもできます。費用や各制度のデメリットなど、専門家と相談し慎重に決めることをおすすめします。

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