実印がない場合の家族信託の進め方

実印がない場合の家族信託の進め方

最終更新日 公開日

家族信託を始めるときは、「実印」を準備しておくことが一般的ですが、実印を登録していない場合には、家族信託を始めることができないのでしょうか?

本記事では、実印がない場合にどのように家族信託を進めていくことができるか、ということについて解説していきます。

実印とは

実印とは、各人が住んでいる市区町村の役所に登録した印鑑のことをいい、印鑑を登録することで、これを証明する書類として印鑑証明書の発行を受けることができるようになります。

実印は、社会通念上とても大切なものなので、実印を所持しているということは基本的にその所有者本人であり、その印鑑を押した人が誰であるかは、印鑑証明書(氏名、住所、生年月日等が記載されている)によって確認することができると認識されています。

これらのことから、実印+印鑑証明書は、本人であることの確認と契約等の意思があることを確認する一般的な方法として利用されています。

印鑑証明書は、各人が住んでいる役所で発行されるので、引っ越しをして住んでいる市区町村が変更になった場合、改めて実印を登録し直す必要があります。

しかし、まだ若い方や女性など、特に生活上実印の捺印が必要となる場面に遭遇したことがない方は、実印の登録を行っていない場合もあります。

それでは、家族信託を始める場合にどういった場面で実印が必要なのでしょうか?

具体的に実印が必要とされる場面と、各場面において実印がない場合の対応方法について紹介していきます。

①信託契約書を公正証書で作成する場合

信託契約は、家族間で締結することがほとんどですが、対外的にも信託契約書の存在を明確にするために、公正証書で作成されることが一般的です。

公証役場で公正証書の作成を依頼する場合、公証人と委託者・受託者は基本的には初対面になるので、申出人が本人であることを確認するための方法として、実印と印鑑証明書の提出が求められます。

このことから、家族信託を始める際には実印を準備しておくことが一般的なのです。

しかし、本人確認は必ずしも実印+印鑑証明書である必要はなく、例えば、運転免許証+認印でも公正証書の作成に応じてくれる公証人もいます。

実印がない場合に、どのような書類を準備すれば公正証書が作成できるかについては、公正証書を作成する公証人によって判断が異なりますので、事前に公証役場に確認を行う必要があります。

②信託契約を私文書で締結する場合

信託契約は公正証書ではなく、私文書(公正証書以外の方法)で締結することも可能です。

信託契約書を巡って、後日揉め事が起きる可能性が極めて低い場合(受託者のほかに委託者の相続人にあたる人物がいない場合等)や、第三者に公正証書として提示する必要がない場合には、私文書で締結することで契約時の費用を抑えることができます。

契約書を私文書で作成する場合には、原則として実印は必要ありません。

この場合は、契約当事者以外の者が、印鑑証明書を使って本人確認や意思確認をすることがないためです。

しかし、家族信託は、個人の大切な財産の管理を任せるという重要な契約なので、私文書で作成する場合であっても、契約書は実印で押印し、印鑑証明書と一緒に保管しておくことが望ましいと言えます。

受託者としても、自分が財産を管理する権限があることを担保するためにも、実印+印鑑証明書で契約書を作成した方が安心できます。

ただし、家族は本人に代わって実印と印鑑証明書を準備することは可能なので、私文書で契約書を作成した場合は、実印があるからと言って必ずしも契約の成立の真正が担保されるわけではないということに注意しましょう。(家族が勝手に印鑑と印鑑証明書を準備して契約書を作った、という疑いがかけられてしまう、ということです。)

③信託財産に不動産が含まれる場合

信託財産として土地や建物を信託する場合、不動産登記簿の名義人を書き換える手続きが必要となります。この際に、財産を預ける委託者の実印と印鑑証明書が必要とされます。

もし実印を登録していなかった場合は、登記に必要となる書類について公証人による認証を受けることで、実印に代えることができます。

まとめ

本記事では、家族信託で実印が必要とされる場面と、実印がない場合の対応方法について解説を行いました。

実印がなくとも家族信託を始めることは可能ですが、原則的な手続きとしては実印の存在が前提となっていますので、スムーズに手続きを進めるためには、できる限り実印を準備しておくことが望ましいでしょう。

カテゴリー:家族信託

タグ:手続

この記事の監修者
鈴木 大崇(すずき ひろたか)

司法書士
鈴木 大崇(すずき ひろたか)

東京都江戸川区出身/令和2年司法書士登録 トリニティグループの家族信託部門にて、信託財産数億円に及ぶ家族信託から自社株式の家族信託まで、幅広い家族信託案件に対応している。

わたしたちについて ≫

完全版 大切な家族の未来を守る家族信託とは?家族信託の仕組みから専門家のアドバイスまで!家族信託を検討中の方向け。詳しくはこちら 完全版 大切な家族の未来を守る家族信託とは?家族信託の仕組みから専門家のアドバイスまで!家族信託を検討中の方向け。詳しくはこちら

ご相談は無料!
お気軽にお問い合わせください

よくあるご質問をまとめた「FAQ」もぜひご活用ください!

家族信託の専門家
メール

メールからの
お問い合わせ

お問い合わせ
友達追加

LINEからの
お問い合わせ

LINE スマート家族信託
公式LINE
電話

お電話での
お問い合わせ

call 0120-916-102

無料でご相談できます!

お気軽にご相談ください!

受付時間 10:00-19:00/土日祝も対応